中国で自治区形成民族と公安当局の軋轢が深刻化している
1月21日19時30分
提供:週プレNEWS
1月18日、中国・上海にある日系企業の電子部品工場で、労働条件に不満を持つ中国人従業員がストライキを起こした。彼らは日本人約10人を含む会社の幹部を2日間にわたり施設内に軟禁。19日深夜に現地の警察が踏み込み、ようやく解放されたという。
中国人労働者たちによる待遇改善を望む動きは日系企業にも影響を及ぼしているが、中国全土で見れば、常にどこかで暴動が起こっているといっても過言ではない。今後、中国の運命はどうなっていくのだろうか。「中国版ノストラダムスの予言」とも呼ばれるほど名高い、中国の予言書「推背図」に、その行方が記されている。
2010年代中盤に当たるという「第四十四象」(44章)には、椅子に座った王族・聖人らしき人物と、立ち姿で弓を背負った武官が対面するさまが絵図に描かれている。多くの研究者は、これを中国に新しい聖人君子が現れて豊かで平和な社会へ導く予言だとみており、中国共産党高級幹部子弟の政治集団「太子党」の習近平が権力中枢の座に着く予言とみる向きもある。
また、世界から多くの人々が中国を訪れ、経済と貿易が盛んになって衣・食・住・行が満ち足りるという意味に受け取れる文も見受けられる。さらに、『四夷』、つまり四方の国々から多くの人々が新しい中国の人君子に謁見しに来るともある。
これが実現すれば中国の未来はバラ色だが、果たして本当だろうか。中国占術学の大家・深川宝琉氏はこう解説する
「『四夷』を単純に『四方の国々』と見なしてはならないでしょう。2013年を予言する第三十象をふまえれば、これは中国政府の圧制に対して反発を強めるチベット、新疆(しんきょう)ウイグル、内モンゴル、広西チワン族の自治区のことではないかと思います。というのは、章の最後にある<否極まって泰来たり九国の春>という文言は研究者の間でも解釈が分かれる部分ですが、『四夷』をチベットやウイグルととらえると意味が見えてくるのです」
焦点になるのは、文言中の「春」だ。これは季節の春だけでなく、昔から中国では動乱を示す漢字でもあった。
「実際、2008年3月にチベット族が反乱を起こし、2009年7月には新彊ウイグル自治区でも組織的な民衆暴動の嵐が吹き荒れました。内モンゴル自治区も2011年5月に40人以上が拘束されるデモがありましたし、広西チワン族自治区にも火種があります。それらが再燃するのではないでしょうか」
それを裏づけるのが、軍事ジャーナリストの世良光弘氏だ。
「日本で報道されていないだけで、焼身自殺に暴動など、チベット族やウイグル族と中国公安当局との軋轢(あつれき)は相当深刻なところまできています。これまでは公安がなんとか押さえ込んでいましたが、激化していけば軍隊を投入しなければならなくなる。より大規模な騒乱になって、中国の共産党体制を危機に陥れるレベルになる可能性があります」
中国の未来は、バラ色どころか「地方の反乱」に悩まされるようになるのかもしれない。
1月21日19時30分
提供:週プレNEWS
1月18日、中国・上海にある日系企業の電子部品工場で、労働条件に不満を持つ中国人従業員がストライキを起こした。彼らは日本人約10人を含む会社の幹部を2日間にわたり施設内に軟禁。19日深夜に現地の警察が踏み込み、ようやく解放されたという。
中国人労働者たちによる待遇改善を望む動きは日系企業にも影響を及ぼしているが、中国全土で見れば、常にどこかで暴動が起こっているといっても過言ではない。今後、中国の運命はどうなっていくのだろうか。「中国版ノストラダムスの予言」とも呼ばれるほど名高い、中国の予言書「推背図」に、その行方が記されている。
2010年代中盤に当たるという「第四十四象」(44章)には、椅子に座った王族・聖人らしき人物と、立ち姿で弓を背負った武官が対面するさまが絵図に描かれている。多くの研究者は、これを中国に新しい聖人君子が現れて豊かで平和な社会へ導く予言だとみており、中国共産党高級幹部子弟の政治集団「太子党」の習近平が権力中枢の座に着く予言とみる向きもある。
また、世界から多くの人々が中国を訪れ、経済と貿易が盛んになって衣・食・住・行が満ち足りるという意味に受け取れる文も見受けられる。さらに、『四夷』、つまり四方の国々から多くの人々が新しい中国の人君子に謁見しに来るともある。
これが実現すれば中国の未来はバラ色だが、果たして本当だろうか。中国占術学の大家・深川宝琉氏はこう解説する
「『四夷』を単純に『四方の国々』と見なしてはならないでしょう。2013年を予言する第三十象をふまえれば、これは中国政府の圧制に対して反発を強めるチベット、新疆(しんきょう)ウイグル、内モンゴル、広西チワン族の自治区のことではないかと思います。というのは、章の最後にある<否極まって泰来たり九国の春>という文言は研究者の間でも解釈が分かれる部分ですが、『四夷』をチベットやウイグルととらえると意味が見えてくるのです」
焦点になるのは、文言中の「春」だ。これは季節の春だけでなく、昔から中国では動乱を示す漢字でもあった。
「実際、2008年3月にチベット族が反乱を起こし、2009年7月には新彊ウイグル自治区でも組織的な民衆暴動の嵐が吹き荒れました。内モンゴル自治区も2011年5月に40人以上が拘束されるデモがありましたし、広西チワン族自治区にも火種があります。それらが再燃するのではないでしょうか」
それを裏づけるのが、軍事ジャーナリストの世良光弘氏だ。
「日本で報道されていないだけで、焼身自殺に暴動など、チベット族やウイグル族と中国公安当局との軋轢(あつれき)は相当深刻なところまできています。これまでは公安がなんとか押さえ込んでいましたが、激化していけば軍隊を投入しなければならなくなる。より大規模な騒乱になって、中国の共産党体制を危機に陥れるレベルになる可能性があります」
中国の未来は、バラ色どころか「地方の反乱」に悩まされるようになるのかもしれない。
