救急車が来ない? 119番通報した大学生の重い死
産経新聞 1月13日(日)19時38分配信
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大久保祐映さんの好きだったコーヒーや菓子を供えて墓の前で話しかける母親=昨年11月4日、埼玉県熊谷市(杉浦美香撮影)(写真:産経新聞)
山形市で約1年2カ月前、下宿で1人暮らしの大学生が自宅で具合が悪くなり、119番通報をしながらも救急車は出動せず、その9日後に、大学生は遺体となって発見されることになった。母親は、「救急車で運ばれていれば、助かったはずだ」として市を相手取って損害賠償訴訟を起こしている。山形で一体、何が起きたのか。彼の死が意味するものは-。
■携帯電話のSOS
死亡したのは山形大理学部2年だった大久保祐映(ゆうは)さん=当時(19)だ。
大久保さんが山形市消防本部に119番通報したのは平成23年10月31日午前5時11分。しかし、同市消防本部に自力で病院に行けると判断され、救急車は来なかった。
埼玉県熊谷市で暮らす母親が大学から連絡を受け、山形に向かったが、変わり果てた大久保さんと対面したのは、山形署の1室だった。
通報を受けた通信指令課職員2人は「歩けるのか」「タクシーで行けますか」という問いに、大久保さんが「動ける」「タクシー…の番号がわかれば自分で行けると思います」と答えたやりとりから「緊急性がないと総合的に判断した」(市側の準備書面)という。
同職員は、病院の電話番号を書き取らせ、タクシー会社の電話番号を番号案内の「104」で聞くように申しつけた。しかし、大久保さんが電話をかけた痕跡はなく、11月9日に遺体で発見された。死体検案書によると、1日ごろに死亡したとみられ、死因は「病死疑い」とあり、特定にはいたらなかった。
■母親の思い
「あの時、救急車が来てくれたら祐映は死なずにすんだのではないか」「苦しかっただろうに代われるものなら代わりたかった」
昨年10月9日、山形地裁で開かれた第1回口頭弁論の後の記者会見で、母親は涙ながらに訴えた。
前日に山形入りした弁護団長の藤木孝男弁護士は、大久保さんが119番通報した同時刻、大久保さんのアパートから、消防本部が指示したとおり、番号案内でタクシー会社を調べてタクシーを呼び、紹介された病院に向かう検証を弁護団で行ったところ、「自動ドアは開いたが病院は真っ暗で事務室まで遠い。苦しい中で自力で行けるような状況ではなかった」と話す。
そのうえで「通報を受けた職員が、タクシーで行くかという言うこと自体、おかしい。出動拒否に等しい」と憤る。
■対決姿勢の山形市
市側の答弁書などによると、山形市の119番通報の受信システムは以下の通りだ。
2人の職員が組みとなり、1人が緊急通報受理票に沿って、通報者と会話しながら、(1)意識(2)呼吸(3)出血(4)嘔吐(おうと)(5)独歩が可能かどうか(6)打撲、腫れ、骨折などの有無の6項目に沿って受理票にメモしていく。
もう一人は、会話を聞きながら、通報者の居場所などを表示するなどしてバックアップ。2人が「緊急性を総合的に判断」し、緊急性がないと判断した場合、通報者に車、タクシーを利用できるかどうかを確認し、最寄りの病院を紹介。救急車が出動しなかった場合は、その通報は問い合わせに分類され、受理票は毎朝8時半に情報漏洩(ろうえい)を防ぐために廃棄されるという。
大久保さんの通報を受けた職員2人は、これまで通報を600~2800回以上受けたことがあり、県消防学校救急標準課程を修了しており、大久保さんの回答から「緊急性は低い」と判断。119番通報は「問い合わせ」に分類され、受理票も廃棄されていた。
市は、職員はあくまで手順に沿って確認しており、「これ以上の確認義務を課すのは(職員に)医師や看護師の能力まで要求することになり、無理を強いることになる」として過失はないと対決の姿勢だ。
■増える119番
119番通報は、高齢化を背景に全国的に増えている。
中には酒に酔ってタクシーがわりに救急車を呼んだり、寂しいからといってかけてきたり、「不要不急」でないどころか、悪質とみられる通報もあるのは事実だ。どこの消防本部もその対応については悩んでいる。
必要でない119番通報で、本当に必要な緊急度や重篤度が高い通報への対応が遅れてしまってはいけない。山形市は、救急が緊急度を判断する一つの理由に、それをあげる。
市側の準備書面によると平成22年には緊急性のない119番通報が約30%、23年には33%あったとした。
ただ、大久保さんが通報時には救急車が出払っていたという事実はなかった。
■死因は髄膜炎の可能性も
東京慈恵会医科大の浦島充佳准教授に、大久保さんと救急とのやりとりの音声データを聞いてもらった。 浦島氏は「ろれつが回っていない。軽い意識障害があるのではないか。呼吸も荒く嘔吐もしている。そもそもドクターでない救急が緊急度を判断してよいのか」と疑問を呈する。
浦島氏の専門は小児科。夜中、子どもの熱などに不安に駆られた母親と電話で対応する機会が多いが、「様子を聞いて翌朝の診察で大丈夫だろうと思っても、実際にみなければわからない。電話だけでは判断がつかない。不安なら病院にきてください」と必ず答えるという。
健康な若者が風邪症状から状態が悪くなり、嘔吐や意識障害を来すケースとして髄膜炎の可能性があると指摘する。昨年5月、宮崎県の高校男子寮で1年生4人が体調不良で入院。うち一人が翌日に死亡、髄膜炎菌性髄膜炎であることがわかった。
髄膜炎は脳や脊髄(せきずい)を包む髄膜に細菌が入るなどして頭痛、発熱、嘔吐などの症状が出る。浦島氏は「病因がわかっていないので確実とはいえないが、救急車で運ばれていれば、抗生剤投与などで改善の可能性は十分あったのではないか」と話す。
■救急体制強化するが…
「過失はなかった」という立場の山形市だが、25年度は、救急体制に強化に大きくシフトする。
新たに救急救命課を新設するほか、救命率の向上をはかるため、通報者や救急車の位置情報を把握することができる統合型位置情報通知システムを導入する。
救急救命課を新設するほか、民間による24時間健康・医療相談サービス制度の導入も打ち出した。高機能化は22年度の導入計画に沿っており、訴訟での主張を変えるものではないという。
■救急出動が原則の他市
人口規模がほぼ同じ福島市消防本部に対応を聞いてみた。
22年にすでに消防司令の高機能化した福島市消防本部は、119番通報を受ければすべて救急出動するという。理由は「電話だけでは判断できない」(中村政一通信指令課長)からだ。中には“通報常連さん”もいたが、緊急ではないとわかっていたとしても救急出動を行ったという。
仙台市も出動が基本。緊急、重症度が高い場合、ドクターカーを派遣するなど手厚くすることはあるが、不出動のために「タクシーでいけるか」と問うことはないという。
■学生安否確認システム導入へ
大久保さんが通っていた山形大学は8日、結城章男学長の定例記者会見で学生の安否確認システムを導入することを明らかにした。学生が大学に来なくなったとき、既に一部導入しているICチップ付き学生証を使った情報システムを活用するという。
結城学長はこれまで「出動しなったことは残念」としながらも、市への対応についてはコメントを差し控える態度を貫いているが、大久保さんのようなことが2度と起こらないように、自衛策をとった形だ。
山形職員組合(品川敦紀執行委員長)は昨年、山形市に和解を働きかけるよう、学長に要請した。
品川氏は大久保さんが所属していた理学部生物学科の教授でもある。大久保さんと救急とのやりとりを書面で読んでいたときは知っていたが、初めて音声データをニュースで聞き、行動しなければならないと思ったという。
理学部では、新入生のオリエンテーリングで、救急車を呼ぶような事態で、「タクシーで呼べるのか」と対応されても救急車に来てほしい旨、はっきりいうようにと指導しているという。
教授、准教授らは学生10人程度のアドバイザーという立場にあり、学生が理由がわからず長期欠席している場合、連絡をとるシステムになっているが、欠席をすぐに把握することはできないという。
品川氏は「山形市はまず、大久保さんへの対応の過失を認め、和解に応じたうえで問救急の対応をするべきではないか」と指摘する。
■2万以上の署名提出へ
大久保さんの中学・高校の同級生や保護者らは昨年8月ごろから、署名活動を行っており、その数は少なくとも2万5千にのぼったという。
この訴訟が全国放送で取り上げられたこともあって、大久保さんの地元である埼玉県熊谷市だけではなく、全国から署名が寄せられた。花のクーポンや菓子を一緒に送ってきたり、温かい手紙も添えられていたという。
娘が大久保さんの同級生だった高橋順子さんは「他人ごとではないと思ってくれている。大久保さんのお母さんの心の支えになっている」と話す。
1月28日には、その署名を市川昭男市長に届ける予定だ。
■重い責任
1周忌の墓参りをする母親に同行させてもらった。
母親は大久保さんの好きだったコーヒーと菓子を墓前に供えた。「1日1日がつらく、長い毎日だった…。祐映と同じような人を出してほしくない」と語った。 119番の不出動を正当化してしまうことは、「市民の命を守る」という大原則を逸脱、本末転倒ではないか。行政としての建前ではなく、まずは助かる可能性があったとみられる一人の学生の死を真摯(しんし)に受けとめるところからみえてくるものがあるはずだと思う。
119番通報は最後の命綱だ。一人の大学生の死が突きつけた意味は重い。(山形支局長 杉浦美香)
産経新聞 1月13日(日)19時38分配信
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大久保祐映さんの好きだったコーヒーや菓子を供えて墓の前で話しかける母親=昨年11月4日、埼玉県熊谷市(杉浦美香撮影)(写真:産経新聞)
山形市で約1年2カ月前、下宿で1人暮らしの大学生が自宅で具合が悪くなり、119番通報をしながらも救急車は出動せず、その9日後に、大学生は遺体となって発見されることになった。母親は、「救急車で運ばれていれば、助かったはずだ」として市を相手取って損害賠償訴訟を起こしている。山形で一体、何が起きたのか。彼の死が意味するものは-。
■携帯電話のSOS
死亡したのは山形大理学部2年だった大久保祐映(ゆうは)さん=当時(19)だ。
大久保さんが山形市消防本部に119番通報したのは平成23年10月31日午前5時11分。しかし、同市消防本部に自力で病院に行けると判断され、救急車は来なかった。
埼玉県熊谷市で暮らす母親が大学から連絡を受け、山形に向かったが、変わり果てた大久保さんと対面したのは、山形署の1室だった。
通報を受けた通信指令課職員2人は「歩けるのか」「タクシーで行けますか」という問いに、大久保さんが「動ける」「タクシー…の番号がわかれば自分で行けると思います」と答えたやりとりから「緊急性がないと総合的に判断した」(市側の準備書面)という。
同職員は、病院の電話番号を書き取らせ、タクシー会社の電話番号を番号案内の「104」で聞くように申しつけた。しかし、大久保さんが電話をかけた痕跡はなく、11月9日に遺体で発見された。死体検案書によると、1日ごろに死亡したとみられ、死因は「病死疑い」とあり、特定にはいたらなかった。
■母親の思い
「あの時、救急車が来てくれたら祐映は死なずにすんだのではないか」「苦しかっただろうに代われるものなら代わりたかった」
昨年10月9日、山形地裁で開かれた第1回口頭弁論の後の記者会見で、母親は涙ながらに訴えた。
前日に山形入りした弁護団長の藤木孝男弁護士は、大久保さんが119番通報した同時刻、大久保さんのアパートから、消防本部が指示したとおり、番号案内でタクシー会社を調べてタクシーを呼び、紹介された病院に向かう検証を弁護団で行ったところ、「自動ドアは開いたが病院は真っ暗で事務室まで遠い。苦しい中で自力で行けるような状況ではなかった」と話す。
そのうえで「通報を受けた職員が、タクシーで行くかという言うこと自体、おかしい。出動拒否に等しい」と憤る。
■対決姿勢の山形市
市側の答弁書などによると、山形市の119番通報の受信システムは以下の通りだ。
2人の職員が組みとなり、1人が緊急通報受理票に沿って、通報者と会話しながら、(1)意識(2)呼吸(3)出血(4)嘔吐(おうと)(5)独歩が可能かどうか(6)打撲、腫れ、骨折などの有無の6項目に沿って受理票にメモしていく。
もう一人は、会話を聞きながら、通報者の居場所などを表示するなどしてバックアップ。2人が「緊急性を総合的に判断」し、緊急性がないと判断した場合、通報者に車、タクシーを利用できるかどうかを確認し、最寄りの病院を紹介。救急車が出動しなかった場合は、その通報は問い合わせに分類され、受理票は毎朝8時半に情報漏洩(ろうえい)を防ぐために廃棄されるという。
大久保さんの通報を受けた職員2人は、これまで通報を600~2800回以上受けたことがあり、県消防学校救急標準課程を修了しており、大久保さんの回答から「緊急性は低い」と判断。119番通報は「問い合わせ」に分類され、受理票も廃棄されていた。
市は、職員はあくまで手順に沿って確認しており、「これ以上の確認義務を課すのは(職員に)医師や看護師の能力まで要求することになり、無理を強いることになる」として過失はないと対決の姿勢だ。
■増える119番
119番通報は、高齢化を背景に全国的に増えている。
中には酒に酔ってタクシーがわりに救急車を呼んだり、寂しいからといってかけてきたり、「不要不急」でないどころか、悪質とみられる通報もあるのは事実だ。どこの消防本部もその対応については悩んでいる。
必要でない119番通報で、本当に必要な緊急度や重篤度が高い通報への対応が遅れてしまってはいけない。山形市は、救急が緊急度を判断する一つの理由に、それをあげる。
市側の準備書面によると平成22年には緊急性のない119番通報が約30%、23年には33%あったとした。
ただ、大久保さんが通報時には救急車が出払っていたという事実はなかった。
■死因は髄膜炎の可能性も
東京慈恵会医科大の浦島充佳准教授に、大久保さんと救急とのやりとりの音声データを聞いてもらった。 浦島氏は「ろれつが回っていない。軽い意識障害があるのではないか。呼吸も荒く嘔吐もしている。そもそもドクターでない救急が緊急度を判断してよいのか」と疑問を呈する。
浦島氏の専門は小児科。夜中、子どもの熱などに不安に駆られた母親と電話で対応する機会が多いが、「様子を聞いて翌朝の診察で大丈夫だろうと思っても、実際にみなければわからない。電話だけでは判断がつかない。不安なら病院にきてください」と必ず答えるという。
健康な若者が風邪症状から状態が悪くなり、嘔吐や意識障害を来すケースとして髄膜炎の可能性があると指摘する。昨年5月、宮崎県の高校男子寮で1年生4人が体調不良で入院。うち一人が翌日に死亡、髄膜炎菌性髄膜炎であることがわかった。
髄膜炎は脳や脊髄(せきずい)を包む髄膜に細菌が入るなどして頭痛、発熱、嘔吐などの症状が出る。浦島氏は「病因がわかっていないので確実とはいえないが、救急車で運ばれていれば、抗生剤投与などで改善の可能性は十分あったのではないか」と話す。
■救急体制強化するが…
「過失はなかった」という立場の山形市だが、25年度は、救急体制に強化に大きくシフトする。
新たに救急救命課を新設するほか、救命率の向上をはかるため、通報者や救急車の位置情報を把握することができる統合型位置情報通知システムを導入する。
救急救命課を新設するほか、民間による24時間健康・医療相談サービス制度の導入も打ち出した。高機能化は22年度の導入計画に沿っており、訴訟での主張を変えるものではないという。
■救急出動が原則の他市
人口規模がほぼ同じ福島市消防本部に対応を聞いてみた。
22年にすでに消防司令の高機能化した福島市消防本部は、119番通報を受ければすべて救急出動するという。理由は「電話だけでは判断できない」(中村政一通信指令課長)からだ。中には“通報常連さん”もいたが、緊急ではないとわかっていたとしても救急出動を行ったという。
仙台市も出動が基本。緊急、重症度が高い場合、ドクターカーを派遣するなど手厚くすることはあるが、不出動のために「タクシーでいけるか」と問うことはないという。
■学生安否確認システム導入へ
大久保さんが通っていた山形大学は8日、結城章男学長の定例記者会見で学生の安否確認システムを導入することを明らかにした。学生が大学に来なくなったとき、既に一部導入しているICチップ付き学生証を使った情報システムを活用するという。
結城学長はこれまで「出動しなったことは残念」としながらも、市への対応についてはコメントを差し控える態度を貫いているが、大久保さんのようなことが2度と起こらないように、自衛策をとった形だ。
山形職員組合(品川敦紀執行委員長)は昨年、山形市に和解を働きかけるよう、学長に要請した。
品川氏は大久保さんが所属していた理学部生物学科の教授でもある。大久保さんと救急とのやりとりを書面で読んでいたときは知っていたが、初めて音声データをニュースで聞き、行動しなければならないと思ったという。
理学部では、新入生のオリエンテーリングで、救急車を呼ぶような事態で、「タクシーで呼べるのか」と対応されても救急車に来てほしい旨、はっきりいうようにと指導しているという。
教授、准教授らは学生10人程度のアドバイザーという立場にあり、学生が理由がわからず長期欠席している場合、連絡をとるシステムになっているが、欠席をすぐに把握することはできないという。
品川氏は「山形市はまず、大久保さんへの対応の過失を認め、和解に応じたうえで問救急の対応をするべきではないか」と指摘する。
■2万以上の署名提出へ
大久保さんの中学・高校の同級生や保護者らは昨年8月ごろから、署名活動を行っており、その数は少なくとも2万5千にのぼったという。
この訴訟が全国放送で取り上げられたこともあって、大久保さんの地元である埼玉県熊谷市だけではなく、全国から署名が寄せられた。花のクーポンや菓子を一緒に送ってきたり、温かい手紙も添えられていたという。
娘が大久保さんの同級生だった高橋順子さんは「他人ごとではないと思ってくれている。大久保さんのお母さんの心の支えになっている」と話す。
1月28日には、その署名を市川昭男市長に届ける予定だ。
■重い責任
1周忌の墓参りをする母親に同行させてもらった。
母親は大久保さんの好きだったコーヒーと菓子を墓前に供えた。「1日1日がつらく、長い毎日だった…。祐映と同じような人を出してほしくない」と語った。 119番の不出動を正当化してしまうことは、「市民の命を守る」という大原則を逸脱、本末転倒ではないか。行政としての建前ではなく、まずは助かる可能性があったとみられる一人の学生の死を真摯(しんし)に受けとめるところからみえてくるものがあるはずだと思う。
119番通報は最後の命綱だ。一人の大学生の死が突きつけた意味は重い。(山形支局長 杉浦美香)
