ラジウム検出から1年 世田谷区のスーパー、営業再開めど立たず
産経新聞 10月3日(水)9時13分配信
東京都世田谷区八幡山のスーパー「パワーラークス世田谷店」の敷地内から放射性物質のラジウムが見つかってから、まもなく1年。除染作業は続いており、営業再開のめどは立っていない。当初問題になった除染費用は国の負担で落ち着きそうだが、休業などによる総損害額は数億円に上るとみられる。
この土地の地権者は全国農業協同組合中央会(JA全中)。スーパーは土地を借りて平成11年にオープンした。
敷地内で毎時100マイクロシーベルトを超える高い放射線が測定されたのは23年10月末。その後の調査で土中からラジウム入りの瓶が見つかった。JA全中もスーパーもラジウムを使ったことはなく、瓶がどこからきたかは不明だ。不法投棄された可能性もある。
大きな問題は、除染費用の負担者だった。
JA全中によると、国は当初、「民間の問題」として、JA全中側が負担すべきだとの姿勢をみせたという。その後の協議で国が給付のかたちで負担する方向に転換。原子力規制委員会が25年度予算の概算要求に約5億7千万円を盛り込んだ。
方針転換の理由は、除染に多大な費用がかかること。こうしたケースで国が除染費用を負担する法的根拠はないが、規制委は「地域住民の安全安心のために、国が負担すべきではないかとなった」と説明している。
ただ、損害はこれだけにとどまらない。ビンが割れてラジウム汚染は敷地内の広範囲に及び、当初は2週間とみられていた除染作業は長期化。現在、敷地前にはJA全中名で「6月末終了を目途にしている」との看板が掲示されているものの作業は続いている。
スーパー側は「早期に営業を再開したい」と希望。ただ、JA全中は「11月中の終了をめどにしているが、慎重に作業を進めており、延びる可能性もある」と説明し、再開のめどは立っていない。
スーパーが長期休業する中、損害経費補償などの問題が深刻化した。JA全中は「地主の瑕疵(かし)担保責任もあり、スーパーへの補償は免れない」としている。JA全中の損害は、補償のほか、土地の資産価値減少などを含め計数億円に上ると試算される。
産経新聞 10月3日(水)9時13分配信
東京都世田谷区八幡山のスーパー「パワーラークス世田谷店」の敷地内から放射性物質のラジウムが見つかってから、まもなく1年。除染作業は続いており、営業再開のめどは立っていない。当初問題になった除染費用は国の負担で落ち着きそうだが、休業などによる総損害額は数億円に上るとみられる。
この土地の地権者は全国農業協同組合中央会(JA全中)。スーパーは土地を借りて平成11年にオープンした。
敷地内で毎時100マイクロシーベルトを超える高い放射線が測定されたのは23年10月末。その後の調査で土中からラジウム入りの瓶が見つかった。JA全中もスーパーもラジウムを使ったことはなく、瓶がどこからきたかは不明だ。不法投棄された可能性もある。
大きな問題は、除染費用の負担者だった。
JA全中によると、国は当初、「民間の問題」として、JA全中側が負担すべきだとの姿勢をみせたという。その後の協議で国が給付のかたちで負担する方向に転換。原子力規制委員会が25年度予算の概算要求に約5億7千万円を盛り込んだ。
方針転換の理由は、除染に多大な費用がかかること。こうしたケースで国が除染費用を負担する法的根拠はないが、規制委は「地域住民の安全安心のために、国が負担すべきではないかとなった」と説明している。
ただ、損害はこれだけにとどまらない。ビンが割れてラジウム汚染は敷地内の広範囲に及び、当初は2週間とみられていた除染作業は長期化。現在、敷地前にはJA全中名で「6月末終了を目途にしている」との看板が掲示されているものの作業は続いている。
スーパー側は「早期に営業を再開したい」と希望。ただ、JA全中は「11月中の終了をめどにしているが、慎重に作業を進めており、延びる可能性もある」と説明し、再開のめどは立っていない。
スーパーが長期休業する中、損害経費補償などの問題が深刻化した。JA全中は「地主の瑕疵(かし)担保責任もあり、スーパーへの補償は免れない」としている。JA全中の損害は、補償のほか、土地の資産価値減少などを含め計数億円に上ると試算される。
