<大学職員殺人>同僚逮捕 異例の展開に上司も絶句
毎日新聞 9月29日(土)23時40分配信

 京都市左京区の路上で今月20日深夜、同志社女子大職員、荒川孝二さん(36)が刺殺された事件は、文部省(当時)からヘッドハンティングされた同大学幹部職員、天野祐一容疑者(59)が殺人容疑で逮捕されるという異例の展開となった。同容疑者は事件後も通常通り勤務していたという。

【大学職員殺人】同僚の54歳の男を職員を容疑で逮捕 京都

 京田辺キャンパス(京都府京田辺市)で29日夕、緊急記者会見した加賀裕郎(ひろお)学長は「あってはならないことで残念。心からおわびします」と頭を下げた。

 同大学によると、天野容疑者は81年文部省採用のノンキャリア。同省学校法人調査課課長補佐、大学入試センター事業部長、山形大総務部長を歴任し、高等教育行政に精通している。04年4月から同志社女子大に勤務。企画部主幹、企画室長、入学センター次長を経て、10年5月から教育・研究推進センター次長。研究費管理や学生アンケートの分析などを担当していた。

 上司の山本寿・同センター所長は「真面目で温厚だった」と話す。天野容疑者を知る元教授も「会議で同席したが、声を荒らげるようなことはなかった」と驚いた。

 大学は事件発生の一報を受けた今月21日、対策本部を設置。同日午後3時、捜査への全面協力を申し合わせた部課長会議に天野容疑者も出席していた。山本所長は25日、天野容疑者と事件について会話したが、変わった様子はなかった。「目の前の人が関与したとは想像もできなかった」と絶句した。

 大学によると、天野容疑者と荒川さんは業務上の接点はほとんどないという。女性職員が天野容疑者からストーカーのような行為を受けたことや、荒川さんが相談に乗っていることは、大学は全く把握していなかった。大学は教職員と外部カウンセラーによる「ハラスメント相談員」を設置しているが、相談はなかったという。【村瀬達男、田辺佑介、五十嵐和大】