http://mainichi.jp/select/biz/news/20110126k0000m020141000c.html
林原:事業再生ADRを申請 巨額投資が経営を圧迫

 甘味料トレハロースの開発・製造で知られるバイオ関連企業「林原
(はやしばら)」(岡山市北区、林原健社長)などグループ4社が私
的整理の一種「事業再生ADR」を民間の第三者機関に申請し、受理
されたことが25日分かった。関係者などによると、近年、抗がん剤
「インターフェロン」製造、恐竜の化石調査など多角的な事業を展開
しており、巨額の投資が経営を圧迫したという。

 負債総額は1000億円程度とみられる。広報担当者は毎日新聞の
取材に「私的整理を進めているのは事実だ」と話した。

 事業再生ADRは第三者の仲介により、債権者と債務者が話し合い
で事業再生計画を作成し、再建を目指す。会社更生法などの法的整理
に比べて、手続き期間が短いのが利点。

 林原グループは、1883年に水あめ製造業「林原商店」として岡
山市で創業。1994年、でんぷんを糖質トレハロースに変える酵素
を発見し、世界で初めて大量生産に成功した。医薬品や食品の原料製
造のほか、レストランやホテル経営も手がけ、メセナ活動では類人猿
の研究や美術館の運営を支援している。林原家の同族企業で現社長は
4代目。【石戸諭、椋田佳代