厚生労働大臣をやっていた長妻さんによると、厚生労働省の役人は、年金がいつ破綻するかとか
健康保険がいつ破綻するか、というシミュレーションや計算をちゃんとやっているという。
しかし、その内容を絶対誰にも(つまり大臣だった長妻さんにも)漏らさないということだった。

この体質は財務省も同じだろう。ただ、財務省の場合、「国の財政が破たんしそうですよ。」という
のを口実にして他の役所からの予算要求を退けたり、増税のための理論的サポートにつかっている。
しかし、実際いつどのように破たんするのかとか、破たんを防ぐためにはどうすればいいか
ということは厚生労働省の役人と同様に大臣にも教えていない。特に民主党にはそうだろう。
そのデータを教えてもらってるかもしれない大物政治家が今度の財務大臣だ。
今回の内閣の改造は、民主党が財務省に負けた、という白旗内閣なんだな。

 どっちにせよ、今の国債の発行残高は異常だ。戦時でもないのにこんなにあるのはおかしい。
日本の銀行が買うのは、日本の銀行が預金をうまく運用するノウハウがないからだ。
バブル崩壊以降日本の銀行は世界レベルで戦う意欲を失った。そろそろ世界基準で
とか思いかけたところでリーマンショックでが~~んと一撃だ。

 国債が本当に良いと銀行のファンドマネージャーが思っているなら、彼らは
競って自分用に個人向け国債を買うだろう。でも、そんなバカは誰もいない。

 日本の国債がいつかは暴落するような気はみんなしているけど、だれも
行動はしない。
 前の戦争の時に「アメリカと戦ったら負ける」って、みんな思っていたけど
だれも言い出せない空気になっていた(と夕べのNHKのテレビでやっていた)と似ている。

 裸の王様っていう寓話があるけど、あれの問題は王様が裸であることではなく、
王様が裸であることをみんなわかっていたのに、だれもそうはいわないでいたら
いつのまにか王様が素晴らしい衣装を身に着けているようにみんなが思ってしまったことだ。

 ちなみに俺は今、わずかしかない貯金のうち、半分ぐらいをドル建てのMMFを
買っている。ドル円が80円台になったときに少しずつ買っている。

 これが、俺みたいなアリができるせめてもの自己防衛だろう。