パールリボンキャラバン 2017 IN東京
肺がん 市民公開講座 患者力アップセミナーに参加してきたので
非常に、ものすごく大雑把にまとめてみました。

「肺がんに対する個別化医療(プレシジョン・メディシン)の発展」
国立がん研究センター東病院 呼吸器内科 

後藤功一先生の講演でした。

まず現状の肺がんに対する治療の説明がありました。
手術、放射線治療、化学療法の切り分け
免疫チェックポイント阻害剤、分子標的薬の適用について。
この辺りは現在治療を受けている方が詳しいでしょうから割愛。

私が一番聞きたかったのはLCスクラムについて。
遺伝子変異がなく現状では分子標的薬が使えない

がん治療の今後についてです。

まず、LCスクラムって何?という方は
国立がん研究センターのホームぺージから

「SCRUM-Japan」のページでご確認ください。
 →http://epoc.ncc.go.jp/scrum/ 

乱暴に言えば「希少肺がんに効く薬を開発しましょう」

と言うプロジェクトですね。(乱暴にもほどがありますが)
LCスクラムに参加している病院で遺伝子検査をしてもらい
遺伝子変異があり、治験薬がある場合は

治験への手続きを進めてもらいます。
現状EGFRかALKが陰性だとぐっと少ない選択肢を
もっと細かい遺伝子検査(現状でも50種類以上)を行うことにより
遺伝子変異に特性のある新薬の治験への参加を

ペアリングするという感じでしょうか。


現状の検査種類では遺伝子変異への希望がなかったがんに
新しい検査方法で光を当てて治験でエビデンスを積み上げ
少しでも希少がんの患者に治療の選択肢を増やすことができる。
EGFR、ALK変異で治療を進めてきた患者さんが
耐性により別の遺伝子変異が起きることもある。
そんな患者さんも遺伝子検査を受けることにより次なる選択肢ができる。
がん治療の新薬開発と同時に遺伝子検査薬の開発も進めて
検査のスピード化、簡易化を図ることもLCスクラムの重要課題であるとのこと。

夢のような話で希望が持てますが、もちろん悪い面もあります。
当然ながらすべての遺伝子変異に有効な薬がある訳ではありません。
遺伝子変異が特定されたとしても残念ながら薬がない・・・ということもあります。
逆にそこで治療に対するチャンスが断たれるような気持になるかも知れません。
検査のためにまた生検をしなければいけなくなることもあります。
当たり前に、物事には良い面と悪い面があると捉える必要はあります。
でも、選択肢が増えるチャンスがあるなら使わない手はないと思います。