父は、マラソンも好きでした。
不規則な生活に合わせて不規則な食事だったせいで、当たり前にしっかりと中年太りでした。それでも運動は好きらしく、時間があるごとに色んなことをしていた記憶があります。
ゴルフの打ちっぱなしに出かけたり、テニススクールに通ったり、体力がないことを克服しようと皇居周りのランニングを始めたり、結局は登山にも目覚めて富士山を登頂したりもしていました。
病気になってから、やっと食事を見直したり運動にプラスして健康を意識し出したみたいだったけど、それでもあんまり痩せてなかったですね父は。
なぜだろ?
地域のマラソン大会には、生前何度か出ていたみたいでした。
私は仕事で地方へ赴任していたので、その勇姿を見届けることはできなかったけれど。
あるマラソン大会で、最下位だったけど、走り切れたんだ、と話してくれたときの笑顔は、その時の爽快感を思い出したように満ち足りて、また誇らしげだったように思います。
私自身も運動が好きで、ランニングも学生時代は日々欠かさずにしていたので、気持ちはよくわかりました。
気持ちいいんですよね。
走り切ったときの、大きく鳴る心拍数を全身で聞きながら、ゆっくり歩幅を小さくしていってクールダウンしていくと、滾って熱い頭のてっぺんから少しずつ落ち着いてきて。
大きく深呼吸ができるようになる、あの感じ。
東京マラソン出てみたいなぁ、なんてランナーたちを見て気まぐれに思いました。
父も走りたがっていたから、一緒に走ろうなんて約束したけどやっぱり果たせなくて、ほんの少しの後ろめたさ。
社会人になってろくに運動しなくなってからは、そもそも走るのなんてつらいし、マラソンなんて全然したくなかったので。
まぁ、口約束だとお互いわかっていたし、そのとき調子良く話せて誰のことも傷付けずに楽しければ、そんなんでいいんだ、とは思うけど。
もしマラソン大会出るときは、写真でも持って連れていってあげよう、と思いました。
相続放棄は、4月中頃に完了するそうです。
今は、母の実家の片付けを急いでしながら、荷物の整理を始めています。
差し押さえ通知が届いて6ヶ月の間は今の家に住めるとのことですが、いつでも出ていけるように、と。
正直も何も、とにかく不安です。
固定費の見直しをして、携帯は格安SIMに、車は手放すことに決めました。
支出の見直しも同時にしています。
新車で買って、シートは本革でカスタム。
何度か事故に遭い、スピード違反で捕まったりもしながらいろんなところに出かけて、共に過ごしてきた愛車です。
私も私で、どうしようもないな![]()
傷つけてばっかで、ごめんね……。
心が痛いよ。
またお金が貯まったら、と思ってしまうな…
私が車を買うときに、
「車は金食い虫だから持たなくていいんだよ」
と父は言っていたけど、
自身で会社を立ち上げる前に勤めていた会社が倒産するとき、どさくさ紛れにボルボの車を持ってきていて(会社の財産を個人の物にするのはいけません)、それを運転しながら満足げにしていたのを私は見ていました。
説得力ないなぁ、なんて思いながら、ボルボのフカフカの助手席で、父と気ままにドライブしていたときのことを思い出していました。
私は本当に父似だと実感する思い出が多すぎて。
やはり、不安です……。
