博物館の長い夜 - 楽しみ方イロイロ | ホタル舞う夜の空

博物館の長い夜 - 楽しみ方イロイロ

博物館の長い夜のチケットは、都市内・都市間交通の乗り放題チケットとのコンビになっていると、一番最初の回に書いた。

この日、もう現役を引退している古いモデルの路面電車を、博物館路面電車として走らせていた。

その夜、町の片方の端から別の端まで市街地を大きく横断して移動していた私たち。
たまたま移動に利用した路面電車が、運良くこのレトロ路面電車だった。

残念ながら写真は無いんだけど、古いモデルは、床が高くて幅が狭いので、遠くからでもすぐに分かる。
色も、レトロななんとも表現し難いグリーンで、シックな装いだった(と、記憶している)。

内部の床は木が張られていて、温かい。
こういう場合もフローリングって言うんだろうか?
狭い車内には、小さ目の二人掛けのベンチシートと4人のボックスが配置されていた。

驚いたことに、4両編成くらいの各車両に、車掌のような帽子をかぶった人が一人ではなく二人ずつくらいいて、乗り込むと私たちの「博物館の長い夜」コンビチケットを確認した。

と、思ったら、乗客の乗り降りが済んで電車が動き出した途端に、車掌さんが話し掛けてきた。

お飲み物はいかがですか?

へ?お飲み物?お飲み物ってお飲み物??

と、ちょっと混乱しながら周りを見回すと、ドアに一番近い席で向かい合って座っている品の良い年配のカップルがニッコリと笑いかけてくれた。

彼らの手には、スパークリングワインの入ったグラス。
ご機嫌そうな二人は、こちらに微笑みながら、グラスを少し傾けて、

Zum Wohl!つmヴぉーl/健康に(乾杯)!

レトロ路面電車が、動くバーになっていた。

博物館路面電車にガタガタと揺られながら、お酒を飲んで会話や窓から見える夜の街の風景を楽しむ。

いかにもドイツ人らしい、お金はかけない豊かな時間の過ごし方だ。

私たちは、次の教会へ急いでたから、何も飲まなかったけど。
うーん、残念!