La vita e bella ライフ・イズ・ビューティフル (1997年) | ホタル舞う夜の空

La vita e bella ライフ・イズ・ビューティフル (1997年)

ジェネオン エンタテインメント
ライフ・イズ・ビューティフル

監督: ロベルト・ベニーニ
出演: ロベルト・ベニーニ, ニコレッタ・ブラスキ, その他

日本でも上映されて、多くの人の感動の涙を誘ったというこの映画。

私はドイツへ来て間もない頃に、映画館で観た。

当時、一緒に住んでいたイタリア人のFが、
「クラスの男の子達に誘われて、今日、映画館に行くんだけど、一緒に行こう」
と誘ってきた。

「監督と主演を兼ねているのは、イタリアではすごく有名なコメディアンで、
とても素晴らしい芸人だから。
今日の映画は、戦争の映画だから、コメディっていうわけじゃないけれど、
私はもうイタリアで観たけど、すっごく良かったから」

と、熱心に説得された。

もともと映画は好きだし、そんなに期待できる映画ならば是非観てみたい気はする。
しかし、、、

まだドイツに上陸して1ヶ月ちょっと。
イタリア人のルームメイトとの日常会話さえままならない私が、映画なんて理解できるのか?

ちなみに、ドイツでは、外国映画は特別に断っていない限り、すべてドイツ語吹き替えで上映される。
さすがに数日しか上映されない超マイナーな映画は字幕だったりするけれど、
だから日本映画はたいてい、オリジナルで観られてとってもラッキーなんだけど、
しかし、中には「シャル・ウィー・ダンス?」のように、ご丁寧にドイツ語吹き替えしてくれることもあるのだ。

それでも、毎日語学学校と部屋を往復するだけの日々で、
いい加減変化を求めていたこともあったし、
好奇心が先立って、一緒に行くことにした。

しかし、やはり分からなかった(涙

もちろん、内容は大体理解できる。
ナチスドイツのことも知っているし、第2次世界大戦のことも知っているから、
話の流れは理解できるが、
ディテールはさっぱり。

ベリーニおじさんのコミカルなセリフと演技で周囲が笑いに包まれていても、
、、、笑えない、、、。

「このゲーム勝てば、賞品としてパンサーがもらえる」
という、この映画の中のキーワードの一つさえ理解できなかったが、
それでもこの映画はものすごく強い印象を私の中に残した。

見つかればただでは済まされないのに、
ドーラとの恋の思い出のレコードを、強制収容所内に流すグイド。
収容所のどこかにいる最愛の妻への、相変わらずの、なりふり構わないユーモアたっぷりの愛情表現。

ドイツ兵に見つかり、処刑されることが分かっていながら、
隠れて様子を見ているジョズエに、おどけて見せるグイド。
まだ幼い息子に対して、悲惨な現実を悟らせないように、最後まで「これはゲームなんだ」と嘘をつき通す父。

ひどく重苦しいテーマを扱っていながら、
人間の素晴らしさ、生命力の偉大さを感じさせてくれる映画だ。


見終わった後、やっぱり映画って素晴らしいと思った。
セリフなんてろくに理解できなくても、良い映画には、観るものの心を揺さぶる力がある。
しかし同時に、
「絶対にもう一度観る。ディテールまできちんと理解してやる」
と、心に誓ったものだ。