TOTO Ⅳ | walkin' on

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アナログレコードのレビューを中心に音楽に関するトピックスを綴っていきます
 歌詞の和訳や、時にはギターの機材についても投稿します

レコード番号:20AP 2280(Columbia) 1982年(国内盤)

 

 

 前回ヴァン・ヘイレンの”5150”のレビューを投稿したところ予想外のアクセス数がカウントされかなり驚いていますなんかしたっけ(?_?)

 

 その時に書こうとしたものの、くどくなる諸般の事情で省いてしまったエピソードというのがありますので、今回はそのお話から…ええ、もちろんTOTOとも関係のある話なのでご安心下さい。

 

 

エディ・ヴァン・ヘイレンのファンのみなさまにはおなじみ、アーニー・ボール・ミュージックマン(ERNIE BALL MUSICMAN)社がかつて製造していたシグニチュア(本人仕様)モデル、EVHではギター用ピックアップ(内蔵マイク)の開発をディマジオ(DiMARZIO)社が担当していました。

 ギターへの超がつくほど高度な要求で知られるエディを納得させるべく、ディマジオではいくつものプロトタイプをエディのもとに送っては試してもらったのですが、そのうちエディも迷いが生じてしまい、客観的な判断が出来なくなってしまいました。

 そこでエディが招いたのが親友スティーヴ・ルカサー。そう、TOTO不動のギタリストです。

 エディの家にやって来たルカサーは実際にギターを弾き、これにしたら?とアドヴァイスしてあげたそうです。

 

 ご記憶の方も多いと思いますが、Eボール・ミュージックマンのEVHは1990年の発売当時から非常に高い評価を受け、プロギタリストの使用も多かったモデルです。その完成にルカサーがひと役買っていたというのがなんとも興味深いのです。

 なおエディとのEボール社の契約は1995年に終了し現在このモデルはAxisと名を変えています

 

 

 

 

 TOTOといえばこのアルバム、という方も多いと思います。1982年にリリースされその年のグラミー賞で6部門を受賞USチャート最高4位を記録という大躍進を遂げ、バンドの名を世界中に知らしめました。

 

帯もあります。

当時はこんな感じで店頭に並んでいたのでしょうか…あ、包装はヒートシュリンクですよねきっと(^_^;)

ジャケット裏はメンバーのカット。このアルバムのリリース後に脱退するデイヴィッド・ハンゲイトのカットがふたつ配されています。

日本語ライナー。解説・訳詞付き。

その裏は

原詞と、ゲストミュージシャンを加えたカット。

 

 

 リアルタイムで聴いておられた方も多いアルバムですしAmebaブログ内にも多くの投稿が見つかるようなので、完全な後追い世代のボクは筆を慎むべきかと思うのですが、少しだけ付け加えさせていただきますと;

 アルバムのプロデュースはバンド名義となっていますが、ミキシングにはグレッグ・ラダーニィの名がクレジットされています。

 この2年後にはドン・ヘンリー(Don Henley)のソロ作”BUILDING THE PERFECT BEAST”にも参加、他にもジャクソン・ブラウンとの仕事でも知られる彼はこの頃の、ロスアンジェルスを中心とした西海岸の音を造り上げてきた匠ともいえる存在です。

写真付でライナーにも登場しています。

 

 また、ゲストミュージシャンの中にはジェリー・ヘイ(トランペット)とトム・スコット(サクソフォン)の名もあります。彼らが組んだホーンセクションもまたこの当時の西海岸の、明るくシャープなサウンドに大きく貢献しています。

 

 さらに、皆さまご存じでしょうか、名曲"I Won't Hold You Back", "Good For You"そして"Africa"にバックコーラスとして参加しているのが、(当時は解散していたので『元 』)イーグルスのティモシー・B・シュミットなのです。

 もっとも、同じロスアンジェルスのサーキット出身であり、TOTOのメンバーはセッション活動のキャリアも有ることからイーグルス人脈とはかなり密接な関係にあるようです。

 ただ、”Africa”ではコーラスに加えてなんとリズムギターまでシュミットが担当しています。イーグルスでの彼のパートはベースなのですが、実はルカサーも認めるギターの名手だったりして(笑)

 

 

 ”Rosanna”で始まり”Africa”で終わる、こんな最強クラスのアルバムは今後もう出てこないかもしれません。それがグラミー6部門受賞、USではトリプル・プラチナム(RIAA認定)という商業的な成功を収めたのですから、音楽史に残る最高傑作のひとつといえるのではないでしょうか。

 

 

 

 

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