COUNTERPARTS | walkin' on

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アナログレコードのレビューを中心に音楽に関するトピックスを綴っていきます
 歌詞の和訳や、時にはギターの機材についても投稿します

 

 

 ラッシュ(RUSH)の1993年のアルバム”COUNTERPARTS”は2004年にデジタルリマスター(DR)された再発盤が発売されましたが、さて問題です。

 上の画像の2枚のCDのうち、旧盤(1993年)と再発盤はそれぞれどちらでしょう?

 

 …って、ひと目で分かりますよね(;^ω^)向かって左側が1993年、右が再発です。

 

 では、次の問題です。

 輸入盤なので帯・日本語ライナー無しの2004年DR盤、中古CD店での購入額はズバリいくらでしょう?

 

 正解は

345円(税込)

 …もう涙目です。梅田のディ〇クユ〇オンで見つけました。

 

 

 かつてラッシュのアルバム”POWER WINDOWS”を買い直した際にその威力を思い知った現行DRですが、25年に渡って聴き続けた"COUNTERPARTS”だとどれくらい変化があるのか、ふと興味がわいてきたこともあり、せっかくの衝撃価格(^_^;)ということもあって購入を決めました。

 

ヨレヨレとピカピカ

ヨレヨレと

ピカピカ。”THE RUSH REMASTERS"の文字が。

ジャケットもヨレヨレ&ピカピカ。

よく見るとディスクの印刷の色が異なります。DRのほうが色味が濃いようです。

DR盤のほうにはちゃんとこの一文がジャケット裏に。

 

 

 

 1989年にはレコード会社をマーキュリーからアトランティックに替えたラッシュは同時にそれまでのシンセを多用したポップ路線から、原点であるソリッドなロックのパワートリオへとシフトします。

 続く”ROLL THE BONES”まではルパート・ハインにプロデュースを託し、大人の鑑賞に堪えるAORに近い作風を打ち出したラッシュですが、この”COUNTERPARTS”ではピーター・コリンズをプロデュースに迎え、さらにヘヴィさを追求していきます。

 またこのアルバムのレコーディングに招聘されたエンジニアのケヴィン・”ケイヴマン”シャーリーはハインの携わった前2作に対し

音の線が細い(  ̄っ ̄)

と指摘、ラッシュをよりダイナミックに先祖返り(若返り?)させるべく、メンバーの使用する機材にも細かく指示を出します。

 

 ある時などはリヴァーブ(残響)の使用をめぐってアレックス・ライフソン(ギター)とシャーリーが大ゲンカ。スタジオの近所のバーで二人でさんざんスコッチをあおって話し合ってようやく折り合いをつけた‐などということもあったとか。

 

 こうしてシャーリーとラッシュが生み出したスーパーヘヴィなアルバム”COUNTERPARTS”は、なんとビルボード200チャートで最高2位を獲得する大ヒットとなります。

 

 アメリカ市場で最も権威あるランキングとして知られるビルボードの、アルバムの売上を対象にしたチャートでの2位、しかもデビューして25年目のヴェテランが獲得という快挙を成し遂げたのです。

 ちなみにこの年の同チャートの首位に輝いたアルバムは映画『ボディガード』のサウンドトラックやエリック・クラプトンの”UNPLUGGED”たしかに名作ですけどやビリー・ジョエル”RIVER OF DREAMS”という顔ぶれです。

 

 それと、このチャートにはパール・ジャムの"Vs.”、さらにはニルヴァーナの”IN UTERO”が食い込んでいることも見逃せません。

 このすぐ後にロックシーンの新たな潮流となって多くのミュージシャンに路線の見直しを迫る(・・;)あのグランジのブームが既に到来していたのすが、その潮目の変りどきともいうべき1993年にラッシュがこれほどの重厚なサウンドのアルバムを生み出し、多くのリスナーを魅了したことは、さらに25年経った現在で考えても驚異的なことではないでしょうか。

 

 

 

 

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