BUT SERIOUSLY, FOLKS... | walkin' on

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アナログレコードのレビューを中心に音楽に関するトピックスを綴っていきます
 歌詞の和訳や、時にはギターの機材についても投稿します

レコード番号:P-10397Y(ASYLUM)  1978年(国内盤)

 

 上の画像では帯を外しているので一見しただけではわかりませんが、このアルバムの邦題は

 

「ロスからの蒼い風」(`・ω・´)

 

 …あのぉ、思いっきりプールの中なんですが、風ってどこから…

 

  『でもみんな、まじめな話なんだけどね…』という意味の原題はたしかに訳しにくく字面も良くないのは分かりますが、それにしても、風って(?_?)

 

 

帯がつくとこうなります。

『必殺の看板ギタリスト』(`・ω・´)

 必殺かどうかは分かりませんが、このアルバムがリリースされた1978年の時点でウォルシュが在籍するイーグルスは不朽の名作”HOTEL CALIFORNIA"を既にリリースしており、その中で際立ったギタープレイを聴かせていた彼はドン・フェルダーと並ぶ看板ギタリストでした。

 

 

ジャケット裏と表は一枚の画です。ブクブク。

ジャケット見開き。相変わらずブクブク。

よく見ると

画の端から水滴がこぼれています。

ライナーノーツの裏面の、ジャケット内のテーブルクロスと同じ柄の

ここにも水滴が。凝っています。

ライナー表はこのように。訳詞は省かれています。

 

 

 

 

 70年代中盤以降のイーグルスをリアルタイムで聴いてきた方にはジョー・ウォルシュへの批判的な声も多いとききます。

 先に脱退したバーニー・リードン(レドン)が残したアコースティックで軽やかなタッチはリードンの友人であるD・フェルダーがある程度継承した感もありますが、ウォルシュはバンド加入後から自身のカラーをいかんなく発揮、さらにはイーグルスのステージでソロ曲を披露したりと、はた目から見てかなりやりたい放題な印象があったようですね。

 

 しかし、 元をただせば1969年にジェイムズ・ギャング(JAMES GANG)でデビューし、バーンストーム(BARNSTORM)を経てソロ活動を開始していたウォルシュに、バンドのヘヴィ化を目論んだイーグルスのグレン・フライとドン・ヘンリーが誘いをかけたというのが実情のようですから、イーグルスとソロを並行するというその後のキャリアも含めて、イーグルスとウォルシュの関りは当初から変わっていないのではないでしょうか。

 

 ウォルシュの、加入前のイーグルスとの接点としてよく知られているのが1974年のソロ作”SO WHAT"に収録の”Help Me Thru The Night"です。

 この曲にはG・フライ、D・ヘンリー、ランディ・マイズナー(当時、後に脱退)の3名のイーグルがゲスト参加しています。

 …イーグルスの熱心な方ならご存知ですよね、この曲は1994年の再結成ライヴ”HELL FREEZES OVER"で取り上げられています。

 後に発売されたCDでは権利関係の都合か収録されていませんので、ぜひDVDでご覧下さい。この曲を演奏するフライ、ヘンリー、ウォルシュの3人の表情を見ているだけでも泣けてきます(`;ω;´)

 

 このアルバム”BUT SERIOUSLY, FOLKS...”は1978年のビルボード200チャートで最高8位を記録、シングルカットされた”Life's Been Good"(邦題『この人生に賭けて』)は同ホット100で12位の大ヒットとなりました。 

 もちろん、イーグルスのメンバーとして注目された結果のヒットという見方もあるようですが、ボクはこのアルバムに、ウォルシュのソングライターの、アーティストとしての優れた素質が強く感じられると思います。

 

 どうしても”Life's Been Good"の、爆笑モノのタッチにばかり目がいってしまいますが、似た曲が無く全て際立った個性を見せており、またギタリストのソロ作でありながらギタープレイの比重を抑え、あくまでも曲を聴かせることにフォーカスしたアレンジをとっていることは特筆に値します。

 自分のやりたい放題弾けたらそれで十分、あとはプロデューサーがテキトーにまとめてくれたよ的なソロ作というのが、とかくギタリストには多いものですが、そういった安直な出来のものとは一線を画す完成度の高さがこの”BUT SERIOUSLY, FOLKS...”の最大の魅力ではないでしょうか。

 

 

 

 

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