DOWN BY THE MAINSTREET | walkin' on

walkin' on

アナログレコードのレビューを中心に音楽に関するトピックスを綴っていきます
 歌詞の和訳や、時にはギターの機材についても投稿します

レコード番号:28AH1771(CBS SONY) 1984年

 

 1984年のリリース当時にLPでこの”DOWN BY THE MAINSTREET"を購入されたみなさんはご存じでしょうか、このアルバム、現行のCDだとジャケットの絵が変わっているんです。

現在のジャケットはこちら↑

 

 このアルバムはオリジナルのジャケットの絵柄があってこそ、と思っているクチでございまして、なぜ省吾が絵を差し替えたのか不思議でなりません。どなたか詳しい事情をご存知の方いらっしゃいましたらぜひご教授いただけませんでしょうか…

 

ジャケット表と裏はつながった一枚の絵になっています。ブーツやキャンバスのスニーカーは現在でも定番のアイテムですし、メインストリートにたたずむのが若い世代であることをそれとなく示しています。

現行のジャケットの絵も実はゲイトフォールドに置かれています。

歌詞カードはシンプルそのものなのですが、

”SHOW AROUND"と名付けられたブックレットがけっこう豪華でして、

省吾本人によるメッセージが。

他にもバイオグラフィやディスコグラフィ、ツアーの日程が載っています。

このニューアルバムが若い世代の等身大の姿を描いたアルバムであることを述べた一文でブックレットがまとめられています。

 

 このLPはたしか日本橋の中古レコード専門店で購入したように記憶しています。棚からこのジャケットを取り出した時の、やった、ついに見つけた!という感激は覚えているのですが、さて、どこの店でいつ買ったのかが思い出せない(^_^;)

 

 

 

 

 前作『PROMISED LAND~約束の地~』で社会批判の大きなテーマに挑戦した省吾ですが、身に余るテーマを独りで抱えて悪戦苦闘するような居心地の悪さと空虚さを感じて悩んだといいます。

 ホリプロから個人事務所への移籍を経て取りかかった新作のレコーディングの途中でアメリカ西海岸に渡り、リズム&ブルースやソウルミュージック、ジャクソン・ブラウンやイーグルスがラジオから流れるのを聴いたことがきっかけとなり、それまで録りためていた楽曲を全てボツにして新たに楽曲制作をやり直すことを決めます。

 なお、現在も人気の高い"Money"の、あの印象的なギターのイントロはこの省吾の全曲ボツ宣言をきいた町支寛二(ギター/コーラス、省吾の親友にして最古参のバンドメンバー)が何気なく弾いたフレーズがもとになっているそうです。

 

 メインストリートに集まって踊り、クルマを走らせる若い世代達の姿を、当時31歳の省吾が「引き」のアングル‐やや客観的に、しかし身につけたミュージシャンとしてのスキルを最大限に活かして活写したアルバムです。

 

 それは同時に、若者による若者だけのロックではない、大人のセンスと経験を活かした音楽としてのロックを我がものとしたい浜田省吾が踏み出した挑戦への一歩だったのかもしれません。

 

 

 

 ご意見・ご感想ありましたらお気軽にどうぞ。お待ちしております。