子どもが家庭で安心感を抱くとき | 日本語空間「わらく」ルクセンブルク       バイリンガル日本語教育

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今日は「子どもが家庭で抱く安心感」について考えてみたいと思います。

 

 

子どもは、どのような時に家庭で安心感を抱くのでしょうか。

 

いろいろ考えられますが、ズバリ、

 

「親が子どもの話を『聴く』とき」

 

です。

 

『聴く』という字は、ご存知の通り『聞く』という字と比べて「注意深く耳を傾ける」という意味になります。

 

 

 

ここで、私が日本で子どもたちと関わっていた頃のお話を、少ししたいと思います。

 

私は、横浜にある私立中高一貫校に、教員として8年間勤めていました。

 

カトリック系の女子校だったため、全校で1000人くらいの思春期女子集団(!)でした。

 

「女の子」という特性もあると思いますが、中学生も高校生も「自分の話を聴いてほしい」生徒が多かったように思います。

 

特に、保護者の方はお仕事やご家庭で忙しくされていたり、何より生徒自身が塾や習い事、部活で忙しく、

 

親子で話をする機会が少なかったのではないかと思います。

 

そして、学校もまた当時1クラス47名でしたので、担任として生徒全員の話を日常的に聴くことは、なかなか難しい現実がありました。

 

 

それでも、年2回の個人面談で生徒一人一人が自由に話をしてくれるときは、自分の好きな歌手、将来の夢、興味があること、

 

時には、親につい反抗してしまう自分のもどかしさに悩む生徒や、異次元の世界などの哲学的なことを話してくれる生徒もいて、

 

一対一で話してみないとわからない姿を、とても興味深く感じました。

 

 

人間は、いくつになっても「自分の話を誰かに聴いてほしい」という気持ちがあると思います。

 

大人だって、高齢者だって、もちろん私だって同じです。

 

特に幼児や小学生は、周りの大人とのやりとりを通して言葉を覚え、それによって自尊感情を得る時期ですから、

 

話を聴いてもらうことが特に重要です。

 

それに加え、コロナ禍で子どもたちも日常に不安を抱える中、

 

先日「一番子どもを安心させられるのは、親が子どもの話を聴くこと」という記事を読みました。

 

 

 

では、子どもが安心感を抱けるような聴き方とは、どのようなものでしょうか。

 

大きなポイントは、2つあると思います。

 

1.先回りしない

 

2.聴く体制を作る

 

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1.先回りしない

 

話している途中で、子どもの口から言葉が続かないと、つい親が先に言ってしまうことがありますが、

 

子どもの頭の中はフル回転、そこはじっと「待つ」ということが大切です。

 

本人が言いたい言葉が出てこなくて困っている時に「○○ってことかな?」とヒントを出すような手助けはしても、

 

「はやくしゃべってっ!」と言いたい気持ちはグッと堪えて、焦らせずに、子どもの口から次の言葉が出てくるまで「待ち」ましょう。

 

 

2.聴く体制を作る

 

これは教員時代からの私のこだわりですが、自分が何か作業をしている時でも、生徒たちが話しかけてきたら、必ず手を止め、

 

相手に(顔だけでなく)体ごと向けて、聴く体制をとります。

 

 

すぐに作業が止められない状態であったら「ちょっと待ってね」と、生徒が話し出すのを少し待ってもらっていました。

 

それは、生徒たちが中学校に入って初めて私と話す時の「まだ出会って間もない先生に、

 

勇気を振り絞って緊張しながらも一生懸命話そうとしている姿」を見ると、中途半端な聴き方はできないなと感じたことにあります。

 

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私は一人の大人として、教室でも家庭でも、子どもたちが話し始める瞬間を、いつも大切にしたいと思っています。

 

(もちろん、家庭では忙しくなるとつい自分の子どもたちに対して、おざなりになってしまう事実もあることを白状しますが(笑)。)

 

 

でも(私自身への戒めの意味も含めて書きますが)、子どもたちは、自分の周りにいろんな人がいたとしても、

 

「親に一番自分の話を聴いて欲しい」

 

と思っています。

 

子どもが話してくれるのは、相手を信頼している証拠であり、

 

子どもは「自分の話を聞いてくれない」と思ったら、その相手にはだんだん口数が減り、やがて何も話さなくなるでしょう。

 

親子のコミュニケーションが断絶した時に「自己肯定感」「信頼感」など、子どもの側だけでなく、

 

親の側も、失うものの大きさは計り知れないと思います。

 

小さな子どもたちは、おうちの方に伝えたいことがたくさんあると思います。

 

少し大きな子どもたちは、もしかしたら自分から話すことは少し減ってしまったかもしれませんが、

 

例えば一緒に行った場所や一緒に見たテレビなどについて「どう思った?」と親子で話してみるのもいいかもしれませんね。

 

今日何か一つでも、じっくりと子どもの話を聴いてみてはいかがでしょうか。