今年もすでに残すところあと数日

 

私にとって、この年一番のニュースは

アフガニスタンで銃撃を受け死亡した

中村医師に関するものだった。

 

          〈 中村医師 (資料映像)

 

もうすでに多くの方が報道により知って

いることと思う。

 

医師として、更には灌漑用水事業を指揮し

砂漠を緑化するなど、30年以上もの間

パキスタンアフガニスタンで支援を続け

 

その人が意図的に殺害されたという

ニュースを聞いて、人間の闇の深さに

ため息したのは私だけでは

ないだろうと思う。

 

この衝撃的な報道の後改めて調べてみると

過去に多くの中村医師に関するドキュ

メント番組や報道番組が YouTube で 

up されていた。

 

それらを見ていくと中村医師の人物像や

業績、主張、思想がより詳しく見えてくる。

 

大干ばつ、水不足、食糧不足、環境汚染

人の抵抗力低下、死、この負の連鎖こそが

アフガニスタンのかかえる根本原因である。

この状況では医療活動も無力に等しい。

 

支援の本質はこの根本原因を解決する
ことにあり一時的な食糧支援等の対症療法
だけではなんの解決にもならない。
 
一部のテロを掃討するという名目で行われる
アメリカなどの無差別空爆は、国土の破壊
であり3500万の国民にとってのマイナスが
 
あまりにも大きく、外国が一国を土足で
踏みにじっていることに気づいていない。
 
お金さえ注げば、軍事力さえ行使すれば
何とかなるという錯覚を、世界中が
持っている。
 
本当の支援というものは、支援者が去っても
自立できることであり、100% 近くが農業の
国においても灌漑事業が可能となるよう
技術的基礎を植え付けていくことにある。
 
・・・・  等々
 

             
          〈 現地人との共同を基本に (資料映像) 〉
 
氏は長年、土着的にアフガニスタンに関り
正に、現地とひとつになっているからこそ
本質的なものが見えていたのだろう。
 
だから医師でありながら重機を操り
自ら石をかつぎ古井戸を復活させたり
現地人と共に、十数年の地道な努力と
根気で25 km に及ぶ用水路を完成させた。
 
その結果、砂漠が緑地化し15万人を超える
人々が暮らせる農地を復活させた。
 
                             〈 砂漠を緑化 (資料映像)
 
この成功がサンプルとなって、自身が
死んでも後々アフガニスタン独自の国家的
事業となるようにと、自ら語っている。
 
国連や世界の国々に支援の本質という
ものを身をもって示した。今後の支援の
あるべき姿として活かされていくことを
願わずにいられない。
 
氏は "一隅を照らす"という伝教大師の
言葉をメッセージとしていた。
 
「世界を救うことはできない。まずは身近
からだ。私は故郷の九州の一部とアフガ
ニスタンの一部しか知らないが、一つの
ことをとことんやると、そこから真理が
見えてくる・・・・」 と。
 
中村医師の死は、多くの悲しみと落胆を
もたらした。しかしその死が、彼の照らした
真実と人間愛という光を再びクローズ
アップさせ、日本中に、世界に拡散
させたものと信じている。
 
すでに多くの人は、中村医師のこの内容を
知っていると思うが、私のブログが
光の拡散の僅かな一助となればと
思って書いてみた。
 
 YouTube の映像は少し長いものだが
まだ見ていない方は是非