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「夜が明ける前がね、いちばん暗いのよ。」
(今、鯛漁名人と呼ばれる70歳の漁師Aさんを、
50年間支えた奥さんの言葉。)
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先日、テレビで見たあるドキュメンタリー。
神戸の鯛漁名人と知る人ぞ知る、70歳の漁師さんの姿をカメラが追った。
瀬戸内海で獲れる明石鯛は、日本一高級な魚の一つ。
今から約50年前、
その鯛漁は、大変難しく、
鯛漁だけで食べていくのは無理だと、
他の漁師は、鯛専門の漁はあきらめていた頃、
ある青年(Aさん)が、漁師の道を目指し、
鯛一筋で、漁師を目指しました。
でも、さっぱり釣れない日が続き、
周りの漁師さん仲間からもバカにされる日々。
生活はとても苦しく、
先が見えなくて、
心が折れそうになった彼を支えたのは、
奥さんの言葉でした。
「夜が明ける前がね、いちばんくらいのよ。」
その言葉に、彼は、勇気づけられ、
「女房の為にも、たくさん鯛をとってやらにゃあ」と頑張り続けました。
瀬戸内の海底の状態、潮の流れ、
鯛がいつ、どこに、どう動くのか、
どうやって網を入れればいいのか、苦闘が続きました。
やがて、
彼の努力が20年目に入ったころから、仕掛けた網に鯛がかかり始めます。
そして、70歳になった今、
神戸の明石漁港で、鯛の水揚げが、
いつも他の漁師さんの数倍という、
「鯛漁の名人」として、知られています。
その鯛漁の名人Aさんも、
自然を相手にする仕事ですから、
いまでも、まったく魚が取れない日があります。
そんな時、Aさんがすることは何か?
奥さんに携帯で電話するんだそうです。
「かみさんの声を聞けば、元気が出るんでねぇ」と
タオルのねじり鉢巻きをして、海をながめて、はにかむAさん。
「おかげさまで、いまは、鯛漁で飯が食えるようになった。
ありがたいよ。」と笑顔になる。
結婚後、魚が取れない日々が続いたAさんを50年間支えた奥さんの言葉
「夜が明ける前がね、いちばん暗いのよ。」
どうやら、もう日が昇り、明るい朝が来たようです。
ハリー・ヨシダの
(あなたの心を支えるパワース・トーリー)