SF小説「宇宙惑星物語」 -20ページ目

~平和の崩壊~

~平和の崩壊~


帝国カピタの最速戦闘機ボイールに立ち向かっていったのは、惑星ラスポタニテで開発された小型戦闘機GA-SSPである。この船の優れた特徴は、高速旋回と、穿孔型非爆ミサイルの正確性においてでろう。特にこの船は、穿孔型非爆ミサイルの実用化がテーマとなり立ち上げられたシリーズである。


穿孔型非爆ミサイルの重要性がトールドーン星系においてどれほど重要であるか今更読者に説明する必要もないかもしれないが、敢えて簡単な解説をしておくと、ミサイルはターゲットにその細長い胴芯が撃ち込まれるとそこから威力を発揮する。モグラのように猛スピードでターゲットの心臓部目掛けて穿孔して進み、その動力の伝達を断絶することで、ターゲットを爆破せず、動きを止めることが可能となる。爆破すればその断片は否応無しにほかの小惑星の軌道に飲み込まれ、落下し、大変な被害を生む恐れがあるからだ。


但し、この穿孔型非爆ミサイルは、小型戦闘機に対してのみ有効である。何故ならば、このミサイルがいくら高速で掘削していくとしても、限界があり、大型船や大空母においてはその心臓部に到達するまでに発見もしくは迎撃、あるいは、立ち止まってしまう恐れもあるからである。


SF小説「宇宙惑星物語」

「再び、警告を促す。貴殿等がその場所から離れ、フィールドゲートから外に出るよう、誘導する。もしこの警告を無視される場合は、速やかに、攻撃を開始する。」


ボッホ大佐の声が全戦闘機内、フィールドゲートに響き渡った。


「大佐、何の反応もありません。」


「仕方ない。対象となるターゲット、全機に対して穿孔ミサイルを発射せよ!」


フィールドゲート内に緊張が走った。


GA-SSPから、ミサイルが発射される!


シュー!!


漏れる様な音を立ててその10本のミサイルがボイール目掛けて打ち出される!真っ赤な機体にそのミサイルが100メートルまで近付いたその時!ピカ!レーザー弾が打ち出され、そのミサイルは全て跡形もなく消え失せた。そして直後に、一機のボイールから一筋の流れ落ちる様な光のボールがフィールドゲート目掛けて打ち出される!


「大佐!反撃してきました!こちらに向かって正体不明の物体が飛んでまいります!」


「対象物目掛けて、再びフィールドゲートより、ミサイルを発射せよ!」


「第二弾も飛んでまいります!」


「全て撃ち落せ!」


「避けられました!あ!避けられたわけではなく、吸収されています!」


「何?!」


ボイールが撃った謎の光のボールがフィールドゲートからの超小型ミサイルを捕まえるとそれは次から次へとそのミサイルを吸着させ、フィールドゲート目掛けて向かってくる!


「何ということだ・・・我々のミサイルを向こうの攻撃力として吸収してしまう武器なのか!」


「大佐!凄いスピードで近づいてまいります!」


「撃ち落せ!」


「了解いたしました!」


「大佐!二の舞です!」


横でそれを止めようとした副官が飛び出したとき、そのミサイル群を次から次へと光の玉が呑み込んでいくのをフィールドゲートの軍人と、ゲートマンたちが呆然として見つめる。


「全員!避難せよ!緊急事態である!」


目の前に凄まじい威力で近づいてくるミサイルの砲撃が、フィールドゲートの中枢部向かって突進してくる!


「うわー!ぶつかる!」


フィールドゲート内部が混乱し、戦闘員やゲートマンたちは右往左往して、ゲートに向かって走っていく。ボッホ大佐と副官が司令塔にただ二人残り、生唾をごくりと飲み込みながら、自らが撃った砲撃が、こちらへ目掛けて向かってくる、異様な光景をただ、無言で見つめる。


「大佐、これは夢でしょうか?」


副官が呟いた瞬間だった。


ドオオオーーーン!

物凄い唸りと共にフィールドゲートが凄まじい光を放った!それは、何光年と遠くへ飛んでいきそうな鋭い無数の光の矢の如くである!


ドウ!ドワワワワワ!


激流と共に無数の粉塵が飛び撒き、唸り声を上げて真っ白に盛り上がる!


「全機!退避しなさい!」


フィールドゲートで門前払いを食っていたジーエルマッフルたちの戦闘機は、凄まじい粉塵の竜巻に飲み込まれていた!


「大統領代行!2機が巻き込まれた模様です!」


「なんですって!」


「爆風に直撃し、あの中に巻き込まれているようです!」


「テリー軍曹!状況を把握しなさい!何があったの!」


「まったく掌握できません!フィールドゲートとの交信は相変わらず断絶され、敵の戦闘機が700km前方に依然として存在が確認されます!」


「攻撃された?!被害が!」


ジーゼルマッフルは、真っ白になった視界の中でできる限りの情報を集めようとした。


「ジーゼル、フィールドゲートがやられたんだ!」


ジルが叫ぶ。


「まさか!」


「いや、その模様です。」


ベントンがテリー軍曹の覗き込むスペースマップをコクピット全体に投影させた。


「フィールドゲートがない・・・!ああ、信じられないわ!」


「木端微塵だ!」


ジルとトーマスが、目の前に展開されたスペースマップにあるべきはずの、大きな存在の欠如に慄いている。


「TDSAは?!TDSAは無事なの?!テリー軍曹!残った戦闘機を連れ、すぐにTDSAに向かうのよ!マークを救出しなくては!」


ジーゼルの目が血走り、テリー軍曹は息を荒らげている。


「了解いたしました!」





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