仕組みは分かっても、実際にどのようになっているのか気になってしまいました。
電流計の仕組みを調べるとすぐに出てくるのが可動コイル型の電流計です。
参考:第43回「メータ(計器)と磁石」の巻
でも、どう考えてもデジタルテスターの中にこのようなコイルは入っていません、、、
そこで色々と調べていると、シャント抵抗を利用した電流の測定方法というのを見つけました。
参考:シャント(分流器)を使用した電流測定法 (PDF)
もしかしたらこの方法を使っているのかもしれません。
シャント抵抗に使用する抵抗はかなり小さい抵抗値のものなので、デジタルテスター内部にこのような抵抗が組み込んであるはずです(¬_¬)
そこに内部抵抗の秘密があるに違いありません。
というわけで分解してみることにしました。
ところがどこにもそんな小さな抵抗は見当たりません、、、
それからDC 200μAのレンジの場合はどのような回路になるんだろう。
と、長い事格闘していました^^;
ダイヤルにこのような仕掛けがしてあって、回転すると2枚目の写真の基板と接触して回路が切り替わるようになっているのですね。
解析は結構大変でした^^;
こんな感じに複雑な基板になっています。
ここから起こした回路図です。
YMとPTCがなんなのかはよくわかりませんでしたが、直接関係なさそうなので、注目するところは
R10からR7を経由してICへ行くところと、R1を経由してICへ行くところですね。
どうもシャント抵抗のところで見たような小さな抵抗なんてなくて、1MΩと1220Ωの経路を通ってICへ流れているというところまで分かりました。
ここは200μAレンジなので、例えば半分の100μAの電流を流すとします。
1MΩと1220Ωの分流の法則で考えると、
R1にはほとんど電流が流れず、R10からR7の経路に電流が流れることが分かります。
そうした場合、V=IRなので、0.1mA×1220Ωから
0.122Vの電圧がICにかかることが分かりました。
この電圧を元に電流を表示しているに違いありません。
さてさて、ここまでで分かったのが200μAレンジの内部抵抗は1220Ωかもしれないというところです。
本当にそうなのか確かめるとしたら100μAの電流を流し込む術を考えなくてはいけません。
単純に電池を使用して1.3Vの電圧をかけるとしたら、
11kΩの抵抗が必要になります。
というわけで実験です。
まずは電池の電圧を確かめます。
1.35Vでした。
次に11kΩの抵抗を用意します。
10kΩと1kΩの抵抗を直列につなぐことにしました。
このような回路になり
I=V/R
1.35V/10.85kΩ = 124μA
となるはずです。
ですが、
テスターの内部抵抗1220Ωがあるとしたら
1.35V/(10.85kΩ+1220Ω) = 112μA
になるはずです(¬_¬)
さあさあお立ち会い!
どんな結果が待ってることやら
いざ!