BPMを星食観測に使用する場合。
どの程度誤差が発生するのかについて考察してみました。

現時点で分かっていることとして
鹿児島県川内市(BPM発信地から1958km)では0.008秒の遅延が発生。
東京の池袋(BPM発信地から2730km)では0.013秒の遅延が発生。
ということです。

参考:
http://www.nao.ac.jp/contents/about-naoj/reports/report-naoj/p73.pdf
GPSとBPM by 池袋南口さん

そしてBPMの遅延を計算する式も分かりました。 by 池袋南口さん



電波の届くまでの時間tは電波の速度をc、地球の半径をr、電離層の高さをe、二点間の距離をd、反射回数をNとする。

これらを元に反射回数と電離層の高さの関係を計算してみました。

上記の表示は池袋での0.013秒遅延の場合になります。
BPMの電波が電離層で10回反射して池袋まで届いたとしたら電離層の高さは138.552kmになります。
計算はC10のセルに(B5-B10)^2という式が入っているのてすが、ここの値が最小になるようにソルバーでB6の値を変化させました。
電離層(F層)の高さは100km~800kmの範囲で可動するように制約条件を設けています。

これを見る限り電離層の高さによって反射回数が大きく違ってくるということです。
今、私の知る限り電離層の高さを知る方法がないように思います。
ですので、あくまで推測で考察しますが、このサンプルとして使用している川内市の遅延0.008秒と池袋の遅延0.013秒では測定した日時が違うため電離層の高さが異なっていることはほぼ間違いないと思います。
それは次のように考えれば分かります。

電離層の高さが一定とした場合(同日の同時刻)を考えてみます。
例えば328.793kmだとしたら川内市までは2回反射して届きます。
この条件で池袋までの遅延時刻を計算したところ0.010秒となりました。
既知の値は0.013秒の遅延ですので、やはり電離層の高さは違っているということがはっきりと分かります。


そしてひとつ疑問が出てきました。
川内市までの距離は1958.22kmで、池袋までは2730.03kmです。
電離層の高さが同じ場合、

同じ角度で発射された電波は通り過ぎてしまいます。



この辺は無線の知識がほとんどない私には難解な部分なのですが、電離層の高さに関係なく受信することが出来るのは電波に指向性がないため



このように違う角度の電波を受信しているのではないかと推測したわけです。
ただそうすると同じ川内市でも



このように2回反射して届く電波と3回反射して届く電波と、もっと言えば10回反射して届く電波も受信しているわけで,重複した信号を受信してしまうはずです。



反射回数によってこんなにも遅延時刻が変わってくるのです。
まともな信号にはなりません。
この辺は、すごく気になるところですが調べてもそういった情報になかなかたどり着きません、、、、


今のところ電離層によって反射された時報は、本当に時刻の基準として使用出来るのか懐疑的になってきています。


つづく、、、、はずです。