長男の反抗期 | 和久井の部屋

和久井の部屋

日々の出来事、お皿や雑貨の紹介などを書いています。

数日前。


長男の通う中学校の担任の先生から電話があった。


私が不在だったので旦那が電話を取り、先生からの話しを聞いた。


内容は、国語の先生への態度が悪いという事。


簡単に話すと暴言を吐いたという様な感じの内容だった。


長男は少し手がかかる。


学校の先生から電話がかかってくる率は、次男や三男に比べるとダントツで多い。


そのほとんどが忘れ物が多いとか、提出物がないとかそんな感じの事ではあったのだが、中学生になって授業中の態度の悪さを注意される事が多くなってきた。


長男は今中1だ。


反抗期であり、思春期である。


強い自立心の芽生えが心をナイフの様に尖らせ、言葉の刃で時として人を傷つけてしまう。


大人になれた様な感覚と、それを邪魔する独りよがりな子供の感情で長男の心はいつもアップダウンし、そんな自分の気持ちに振り回され、もどかしさや苛立ちを感じている様にも見える。


思い返せば、私の反抗期もかなり酷かった。


思春期真っ盛りの頃の私の家庭は父子家庭で、父親を毛嫌いする気持ちが日に日に膨れ上がり、でもその気持ちをわかってくれる母親はいず、叱ってくれる人も咎めてくれる人もいない中、父親に沢山反抗した。


言ってはいけない言葉も沢山言い、その度に沢山泣いた。


今の自分の気持ちをわかってほしい気持ちから言葉は常にナイフの様に尖っていた。


私が父に浴びせてしまった言葉は言ってはいけない一言で、その一言により父の顔は顔面蒼白になった。


あの時の父の顔はいまだに忘れる事ができない。


部屋に戻って自分の醜さに嫌気がさし、誰かに叱ってほしいと強く思いながら沢山泣いた。


父に向けた言葉の刃は、自分の心もざっくりとえぐった。


そしてその傷は大人になるにつれ深さが増し、今でも私の心の深い傷になっている。


それでも。


反省しつつも父との関係は修復できず、良好な関係を取り戻す事はできなかった。


私が大人になるまでは。



なので、長男の気持ちは凄くわかる。



自分ではコントロールできない苛立ち、自分はもう大人だと思う感覚、親や先生のわずらわしさ、正論だとわかっていても反抗する気持ちがその全てをかき消し相手に言葉の刃を向ける粋がっている感情。



その全てが思春期や反抗期の仕業で、この経験をして大人になっていくのだが。



話しを長男の事に戻す。


先生から電話があり、旦那は長男に注意をした。


旦那に叱られたことにより、長男はふてくされ、自分の部屋へ逃げ込んだ。



夜ごはんができたので声をかけた。


しばらくして長男が降りてきて、席に着いた。



目が真っ赤で腫れていた。


泣いてたらしい。


旦那から長男にしっかり話してくれていたので私から言う事はなかったのだが、長男に語りかけた。


「学校での態度、自分ではどう思ってる?」


「別に」


「良いことだと思ってる?」


「別に」


何を言っても別にという言葉で終わらせる。


「あのね、長男。今までも勿論これから先もずっとなんだけど、長男は必ず誰かと関わって生きていかなけばならないの。1人で生きてる様で実はそうではなくて、勉強を教えてくれる先生がいたり、長男の力になってくれる友達がいたり、優しく接してくれるおばあちゃんがいたり、いけない事をしたら叱ってくれるパパがいたり、沢山の人に守られて長男がいるんだよ。そんな人達を突っぱね続けるといずれ長男は1人ぼっちになっちゃうんだよ。ママはそんな風になってほしくないよ。

今の長男の気持ちわかるよ。色んな事に反抗しちゃったり、親や先生に暴言を吐いちゃったりする気持ち。それはね、思春期って言って長男の心と体が急激に成長してて、そのスピードにうまく気持ちがついていけていない状態なの。いずれ心と体の成長が一緒になった時終わるから。モヤモヤしてる感情も苛立ちも。

ママは色々言うけど、ゲームだってやればいい。友達と遊びたければ遊べばいい。塾が嫌ならやめてもいい。長男が決めて自由にしたらいい。でもね、全ての行動が必ずいつか自分に返ってくるって事だけは忘れないでね。


そしてね、長男。
言っちゃいけない言葉はあるんだよ。
心がコントロールできなくても、苛立っていても
他人を傷つけてはだめ。
ママ達ならまだしも、他人は絶対にだめ。
その言葉はいつか自分に返ってきちゃうから。」


別に・・の返事しかしなかった長男が声をあげて泣き、私の目を見て答えた。


「はい」


私も泣いた。






親として。


どういう対応が正解なのかわからない。


どういう言葉が正解なのかも。



それでも。


今泣いてるって事は悪い事をしたと言う認識はあるという事だから。
言葉じゃなくていいのかもしれない。


長男の気持ちに響いてくれたのならそれでいい。


「長男の中にある綺麗な心は大切にしなきゃいけないよ。怒りにまかせて言葉が出そうになった時には、自分の中にある綺麗な心に問いかけてから言葉を発するんだよ」



そう言って話し合いは終了した。



きっとこれからも。
こんな問題はチョイチョイ起きる。
何度も何度も話して、何度も何度も気づかせてあげなければならないのだろう。




そしてその度に少しずつ、私も親になれていくのかな。


解決策は人それぞれだと思うけど、子供の気持ちにしっかりと向き合う事。それが一番大切なのではないかと思う。


反抗期。
心がしぼんでしまいそうになるし、全てを投げ出したくもなる。
でも痛いほどわかる長男の気持ちを、受け止めてあげれる様に私も成長していかなければなと思う。






ちなみに。
私と長男が号泣してる横で次男も号泣。


笑っちゃったけど、優しいやっちゃね。