本谷有希子 著

三つの短編からなる

どれも、脱力の文体で、さらっと読める
ふわっと、ストーリーは展開
でも、終わりは、なんかやーな感じが残る
危ない、危ない!
結末は、読者それぞれの想像力に委ねられる

◆マレーシアを旅行中、やたらSNSにあげる独身アラフォー
◆夫の同僚の倹約家の夫婦と、キャンピングカーで過ごすネット通販依存症の妻
◆妻の乱杭歯が人生を狂わすと信じる失業した夫

どれも、いまどき感がプンプン
少し風変わりで、苛立ちさえ覚えるキャラが登場
誰もが軽い、チャラいのではない
根っこが無いと言うか、存在が軽いのだ
エネルギーとかパワーというものが感じられない
これが、いかにもいまどきなんだな

シチュエーションは、どれもフツー(に感じるだけかな?)
深刻さは微塵も無い
でも、どこか特異な雰囲気が漂う
巧みだ
面白い読み物だった