斎藤工 監督作品

 

13年間蒸発していた父親が死に、息子たちが葬儀を出す。

 

父親は、借金まみれ。

幼い頃から、貧困に苦しむ家族。

ぼろ雑巾のようになるまで、働き続ける母親を見て育った兄弟。

自ずと、子供らには、父への憎しみや軽蔑が生まれる。

しかし、不思議なもので、どこかで、血のつながりというものが断ち切れないでいる。

父親への思慕が、微かに、そして、確かに存在するのだ。

 

父の葬儀に集う風変わりな人々。

個性的な面々が、父との関わりや思い出を語る。

彼らは真面目に語るが、なぜか、笑えて来る。

う~ん、これは、屈折した家族愛を描く映画で、何かメッセージ性のあるシリアスな映画?

いや、リアルな葬儀がシュールで、これは一種のコメディではないのか。

 

俳優らの、感情を抑えた淡々とした演技が、超リアルで味があった。

特に、ぼろ雑巾役?の神野美鈴が素晴らしかった。