店長の一番大切な仕事は“良い空気感”を創り出すこと | マインドアンチエイジング~すべての人々に漲る若さを!

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マインドアンチエイジング・ジャパン理事長 人財育成・組織変革コンサルタント 千代鶴直愛 公式ブログ

4年前から研修をやらせていただいているある大手小売業で、来年度は、全店長を対象とした研修を担当させていただくことになった。


全国に数百店舗あるので、店長全員に研修を実施するとなると、一巡するだけで丸々1年かかる。研修としては、かなりの大型プロジェクトだ。


これだけのビッグプロジェクトを託していただけるのだから、もちろん、プロの研修講師としては、この上ない誇りである。そして、同時に、重大な責任も感じている。


何としてでも、店長全員のマネジメントスキルの底上げを図りたいと思うし、業績と言う目に見える成果に反映させたいと心から願っている。




私がこの店長研修のコンセプトの一つとして掲げているのが、「“良い空気感”を創り出せる店長になっていただく」ということ。


販売戦略、接客術、商品知識などのテクニカルスキルや専門知識については、既にどの店長もかなり高いレベルにある。


しかし、一般消費者の消費意欲が伸び悩み、あらゆるマーケティング施策を打っても客足が増えていかない現状においては、このようなテクニカルスキルや専門知識だけでは、他社との競争になかなか勝てないのだ。


やるべきことは全てやっているが、売上が伸びず、全社的に閉塞感に包まれている。


この状況を打開できる鍵は、私は、お店に“良い空気感”を創ることにあると考えている。



「このお店、なんだか、雰囲気が他と違うな・・・」

「なんだかわからないけど、ここのお店に入ると、いつも幸せな気持ちになれる・・・」



顧客にそんなふうに感じさせるお店作りができるかどうか、ここにかかっていると思う。


商品そのもの(=ハード)で他社と差別化し続けることは、もう不可能に近い時代になっている。


斬新な戦略やビジネスモデルさえも、やがては必ず模倣されてしまう。


結局、最後は模倣することのできないもの(=ソフト)のクオリティーを高めていくしかない。


それが、“良い空気感”なのだ。



“良い空気感”を創り出すには、店長以下、スタッフ全員がイキイキと働いていなければならない。


コミュニケーションが円滑に行われていて、建設的な議論が活発になされている必要がある。


そして、みんなでお店を盛り上げよう、お客さんに喜んでいただこうという“一体感”がなければならない。


つまりは、スタッフ間で、質の高いコミュニケーションがとれていなければならないのだ。


そんなお店を作れるかどうか、これが店長の最大の力になってくるのだ。


お客さんは、モノの機能を買いに来ているのではない。


そこで「楽しい」「ワクワクする」「面白い」「あり得ない」という「他では味わえない経験」を買いに来ているのだ。


これを「経験価値」というが、そんな「他では味わえない経験」をいかに創り出せるか。


そんな価値を追及できる店長に育ってもらいたい。




人財開発プロデューサー 千代鶴直愛