本物のプロフェッショナルは、
物事の捉え方がいつもポジティブである。
トラブルやピンチが訪れた時に、
その出来事を瞬時にポジティブな意味付けに
切り替えることができる。
この“瞬時に”というのがポイントだ。
普通の人は、
何か「困ったこと」が起きると、
しばらく落ち込んだり、慌てたり、悩んだりして、
無益な時間を浪費してしまう。
しかし、本物のプロフェッショナルは、
“瞬時に”切り替えることができるので、
時間のロスがない。
そして、そのトラブルを
チャンスとして捉えることができるので、
次の瞬間には、
ハッピーな気分になれる。
当然、まわりの人たちにも良い影響を与える。
先日、事業で大成功をしたある実業家から
こんな話を聞かせてもらった。
ある時、彼のゴージャスなサロンに
遊びに来た女性客が、
ソファーの近くに置いてあった高価な花瓶を
うっかり落として割ってしまったという。
慌てふためいた女性は、
平謝りに謝って、
「弁償させていただきます！」
と言ったそうだが、
その実業家は、彼女に向かって
笑顔でこう言った。
「何も謝ることなんてないですよ！
とんでもない！
弁償なんてされたら、
私が新しいものを買う喜びが
なくなっちゃうからね。
逆に、私はもっと良いものに出会うかもしれない
チャンスをいただいたんだから、
あなたに感謝しないといけないんだよ」
この話を聴いた僕は、
この実業家のポジティブシンカーぶりに、
心から感動した。
ポジティブシンキングもここまで来ると
本当に筋金入りだ。
莫大な財産があるから、
そんな余裕の発言ができるとも
とれるかもしれないが、
僕は違うと思った。
この人は、若いころからポジティブに考える訓練を
してきたに違いない。
だから、大成功してこられたんだ。
そして、ポジティブシンキングだけではない。
その困惑した女性の立場に瞬時に立って、
彼女に最高に優しく接したのだ。
人のためにという利他の精神。
一瞬でこんな鮮やかな対応ができるのは、
長年、思考習慣を鍛錬してこられた
賜物ではないかと思う。
僕などは、まだ到底足元にも及ばない。
人財開発プロデューサー 千代鶴直愛
千代鶴直愛公式サイト（リード・コミュニケーションズHP）