和香堂ブログ18 鍼灸マッサージと血液・リンパ液の流れ
大西です。2023年がスタートしてもう3か月目に入りました。日差しも空気も
春らしくなってきましたね。桜の咲く頃のように暖かくなったかと思えば、体の芯か
ら冷えるほどの寒さになったり。一日の中での寒暖差も大きいですね。季節の変わり
ゆくこの時期、体調が安定しないという方も多いのではないでしょうか。
和香堂へ初めて来院される患者さんが増えてきました。当院のホームぺージを偶然
見つけて、ホームぺージの中の予約サイトから予約してくださる方、お知り合いの患
者さんに勧められて足を運んでくださる方、どちらもたくさんいらっしゃいます。
みなさんに当院に関心を寄せていただき、和香堂でならご自身の体のつらさが少し
でも楽になるのではと期待を込めてくださることに、感謝の思いでいっぱいです。
初めて当院で施術を受けられた患者さんは、特にマッサージの時に「こんなに丁寧
にしてくださるんですね」と、ほっとした声で話してくださることが多いです。そん
な患者さんのお気持ちが励みになっています。
先日、ある患者さんがマッサージを受けながら、こんな問いかけをしてくださいま
した。「マッサージで血液やリンパの流れがよくなるっていわれますよね。血液とリ
ンパ液ってどう違うんでしょう?」
うーん、と首を傾ける方、多いのではと思います。
血液は、赤血球・血小板・白血球・血漿で構成されています。
赤血球:酸素を運び、酸素の少ない組織で放出。二酸化炭素の一部を運び、肺で
放出。
血小板:出血した傷口を塞ぎ、止血する。
白血球:細菌や異物を直接攻撃したり、細菌や異物を攻撃する抗体を作ったりす
る。
血漿:血液の液体成分。栄養素・ホルモン・老廃物・二酸化炭素などを運ぶ。
血液は心臓から全身を巡り、心臓へ戻ります。心臓の拍動により循環しています。
心臓 → 動脈 → 毛細血管 → 静脈 → 心臓
毛細血管は血管壁が薄く、この血管壁から血漿成分が組織へ沁み出て、組織液にな
ります。そして、動脈血から全身の組織に必要な酸素や栄養などを届けているのです
。さらに、全身の組織で不要な二酸化炭素・老廃物などを回収して、毛細血管から静
脈血へ流しているのですね。
血液は、体のいろいろなところで作られた熱を全身に運び、体温維持にも役立って
います。
一方、リンパ液(リンパ)はどうでしょう。
血液中の血漿成分が組織に沁み出て、組織液になりましたよね。組織液は再び毛細
血管に入るのですが、その中の一部は毛細リンパ管に入り、リンパ液になるのです。
毛細リンパ管 → リンパ管 → だんだん太くなり → 心臓の近くの静脈に合
流
リンパ管は体に不要なものを流す、体内の下水道のような働きをしています。
リンパ管のはじまりは心臓とはつながっていないので、心臓の拍動で力強く押し出
されるのではなく、筋肉の収縮や呼吸などでリンパの流れが促されます。心臓ほどポ
ンプの力は強くないので、リンパの流れは滞りやすいのです。
血液やリンパの流れが悪いと、体によくないと言われますよね。
血液の流れがスムーズでないと、体に不要な二酸化炭素・老廃物の流れが悪くなり
ます。そして、疲労や筋緊張などを引き起こし、さらに冷え性にもつながってしまい
ます。
リンパの流れがスムーズでないと、二酸化炭素や老廃物の流れも滞るので、疲労や
むくみが起きるようになります。
例えば、肩の施術を受けているときに、指先まで温かくなった。腰の施術を受けて
いるときに、脚の冷えが楽になった。脚のマッサージを受けているときにむくみがス
ッキリした。これらは鍼灸マッサージで血液やリンパ液の流れをよくしたことにより
起きる事例で、多くの患者さんが実感されています。
鍼灸マッサージで体の表面から刺激することにより、血液やリンパ液の流れがよく
なり、体が楽になったと実感していただけるのです。