和香堂ブログ10 意外と助かる夏野菜
大西です。残暑お見舞い申し上げます。今シーズンも猛烈な暑さを、さらには体温
を凌ぐ暑さをも、幾度も乗り越えてきましたね。二十四節季の立秋も処暑も過ぎ、暦
の上では秋ですがまだまだ夏と言わんばかりの30℃を超える暑い日もありそうです
。食欲がなくなったり、力がわかない、ということになっていませんか。
ところで、夏野菜というとどんな野菜を思い浮かべるでしょうか。トマト、きゅう
り、なす、ピーマン、ゴーヤ、などなど。色鮮やかな野菜が多いですよね。
夏野菜を食べると、夏に体内で不足しがちなビタミン・ミネラルなどの重要な栄養
素を上手に補うことができるのです。
夏野菜といっても、一年を通してスーパーで売られています。コンビニでも彩り豊
かなサラダやサンドイッチなどがいつでも購入できます。野菜の栽培技術や輸送技術
が進んだおかげですね。
野菜には旬があります。旬の時期に旬の野菜をいただくことをおすすめしたいです
。
なぜなら、野菜の栄養価が最高になるのが、旬といわれる時期だからです。夏に収
穫する夏野菜には、他の季節に収穫するものよりも、体を冷やす、水分を補うなどの
働きをもつ栄養素が含まれており、一方の冬に収穫する冬野菜には、免疫力を高め、
風邪の予防などの働きをもつ栄養素が含まれています。旬の野菜には、その時期に必
要な栄養素がたっぷりというわけなのです。
夏野菜で夏に必要な栄養素を補える、と先程書きました。様々な夏野菜に多く含ま
れる栄養素を挙げてみます。
ビタミンA:皮膚・粘膜の機能維持に作用します。皮膚・粘膜は感染症の防御に働
くため、ビタミンAは抗感染症ビタミンとも言われています。
β-カロテン:抗酸化作用があります。体内で必要な時にビタミンAに変化します
。
ビタミンC:抗酸化作用があり、皮膚・血管などの細胞同士をつなぐコラーゲンの
合成に必要です。
ビタミンE:強い抗酸化作用があります。紫外線などの刺激から皮膚を守る働きが
あり、血行の促進にも役立ちます。しみや日焼けの原因となるメラニンの排出の役割
も担っています。
カリウム:ナトリウムの排泄に関与し血圧を下げる働きがあります。利尿作用があ
るので、むくみを改善してくれます。
代表的な夏野菜のトマトはみずみずしい野菜ですね。β-カロテン・ビタミンA・
ビタミンC・ビタミンE・カリウムなどがバランスよく含まれた、夏に心強い味方の
野菜です。
また、きゅうりは95%が水分。残る5%にはβ-カロテン・ビタミンC・カリウ
ムなどが含まれています。
夏は紫外線がとても強いですよね。紫外線は皮膚にダメージを与えます。それだけ
ではなく、皮膚の細胞の中に活性酸素を作ってしまいます。メラニンを増やしたり、
皮膚のハリを守るコラーゲンなどを壊し、しわやたるみの原因にもなります。
強い酸化力のある酸素を活性酸素といいます。体内に活性酸素が増えすぎると、細
胞を酸化させ、老化を進めたり、心筋梗塞や動脈硬化などの様々な疾患を引き起こし
たりすると言われています。
これまでの文章に出てきた抗酸化作用とは、この活性酸素を抑制する働きのことで
す。
活性酸素を増やすのは、紫外線、ストレス、食生活の乱れなどが挙げられます。猛
烈な暑さによる食欲不振や偏食、イライラなど、辛いことが多い時期ですよね。
夏野菜の栄養で皮膚を守り、抗酸化力を高められます。夏野菜で水分を補って体を
冷やし、余分な水分の排泄が促されます。夏野菜はまさに夏を乗り切る味方といえま
すね。
これまで夏野菜の栄養素の働きを紹介してきましたが、むくみや肌トラブル、食欲
不振などがとても気になる方は、医療機関の受診も必要かと思います。日々の食生活
で夏野菜を意識して摂取し、体のバランスを整えるのに役立てていただければと思い
ます。
さて、いいこと尽くしの夏野菜。野菜が苦手という方も、ぜひ一口。思っていたよ
りおいしい、と感じるかもしれません。