今回の京都グラフィーで、やっと話題の川内倫子さんのプリントを

間近で観ることが出来た。

 

川内さんは、日本はもちろん、外国で絶大な人気の写真家で、

京都の大学でグラフィックデザインを専攻後、関西の広告制作会社でカメラマンとして活躍。

その後、東京に移り、写真家として活動を始めた方。

「うたたね」「花火」など次々に写真集を発刊され、木村伊兵衛賞も受賞されている。

 

日常のひとコマを抒情的に捉え、何よりも「光」にレンズを向けた写真が

私は特に好きだ。

京セラ美術館で開催されていた川内さんの写真展は、

スライドの映写から始まった。

 

屈んで入ったその部屋は、写真よりももっと暗く、

その中でカシャ!カシャ!とスライドが定期的に送られて行く。

 

先へ進むと、パアッと明るく天井の高い部屋に作品が並ぶ。

 

 

そこには、小さめのプリントがずら〜っと展示され、

写真を観る人の背面には、曲線のアーチを描く白い壁が連なっている。

 

身近な家族を捉えた写真。

高齢のお祖父様とお祖母様の日常は、お祖父様のお葬式へと続く。

 

 

そして、妹さんの赤ちゃんの誕生、そしてご自身のお子様の誕生へ。

「生」と「死」を対にした写真集もあり、

川内さんは「光」の中に「生」「死」の両方を光として捉えているような気がする。

 

 

「死」は、暗闇に向かうように思いがちだが、

もしかしたら光の中へ帰って行くことなのかもしれないと

川内さんの写真を観ていて思った。

 

昨年12月、16歳になろうとする愛犬が天国に旅立ち、

まだまだその寂しさを乗り越えられないでいる私は、

あの子は今あの光の中へ帰って行き、光の存在になって私たちを照らしてくれているのでは?

と思うと、沈んでいた心に、本当に光が差すような気持ちになった。

 

光を見て「生」きて行こう。

小さな光、大きな光、消えそうな光、力強い光。

この世界は決して光輝くことばかりではない。

逆に今回の京都グラフィで多くの写真家が取り上げていた社会の課題は深刻だ。

それでも私たちが「光」を信じて行動しなければ、

社会を変えて行くことは出来ないから。

あれ?そう言えば今年の大河は「光る君へ」だね。

 

 

そして、帰りの荷物が重くなるのも忘れ、

購入した2冊の写真集。

 

1冊はもちろん!川内さんの「ILLUMINANCE」!

 

 

もう1冊は・・・・。

これはまた次のブログで。