置田啓人くんが演じてくれた、翔平のオンラインの友人“春樹”。
この”春樹”が実はもうひとりのキーパーソンなんです。
→オンラインで翔平と会話をする春樹
春樹は翔平と同じ中学生。
サッカーとゲームが好きで、翔平とはオンラインゲームで知り合ったゲーム友だちだが、
こうして時々オンラインで話をしている。
同年齢ということもあったり、翔平とは何となくウマが合うのだ。
春樹には、数年前にマチから島へ移住し、漁師になった叔父”征治”がいる。
島へ行きたいという翔平に、叔父の船で一緒に行こうと言い、
「初めてのご対面記念に大事なものを交換しよう」と提案するのだが。
翔平は春樹からもらったものを不思議がる。
すると、春樹は自分の先祖の話を始める。
2013年に撮影した西尾市民映画「オシニ」では、
主人公のうえのすけは父親と渡し船業をしていた。
西尾市では、明治から昭和初期には「船」がたくさんあった。
矢作古川などの水を利用し、船の上で紡績をおこなっていたのだそう。
「ガラガラ」と音が出るので「ガラ紡」と呼ばれたらしい。
また、昭和27年に吉良吉田から佐久島へ渡る渡船が開業し、
さらにもっと歴史を遡ると
海を生活の場とした海部族の末裔たちによって、
佐久島は、江戸時代に海運業として栄えたそうだ。
そんな歴史から、うえのすけの家業を渡し船屋と設定した。
そして、
春樹は「渡し船をしていた先祖が大事にしてきたお守り」だと言って、
翔平にあるものを渡し、一緒に島に行って神様に祈ってこようと誘ったのだ。
さらに、
最後の最後で、翔平がまだためらっている時にも、
春樹は翔平にひとこと声をかける。
そんなこんなで春樹は、翔平を導く導師=同志のような存在?!として、
とても重要な立ち位置にいる。
そんな役を置田くんは、とっても自然でそして熱く演じてくれた。
神様のお使いならぬ「オシニからのお使い」として、
爽やかでいつも翔平を支えてくれる春樹役。
置田くんは、間の取り方が良く、
何も言わなくても必要な間、タメのポイントをわかってくれていて、
とても助かった。
撮影の合間の二人も親友のように見えて、
「あ〜青春っていいな」と
はるか昔に思いを馳せるおばあちゃん監督なのだった。