とちの実では、春と秋の年2回、おおぞら教育研究所の木村さん、一級建築士の井上さんと共に保育環境整備(以後”ワーク”)を行っています。ワークはただ物をつくることだけにならないように必ず前後に研修を行い、ワークと研修の両輪で行っています。
ワーク研修は主に木村さんに関わって頂き、ワーク前は「ワークでどんなものをつくりたいか?」、ワーク後は「整備した環境でこども達の姿がどうかわったか?」という内容(ざっくり言ってますが…)で、年4~5回、勤務後の夜の時間を使い、全職員で行っています。
でもワークのことは置いといて
とちの実のワーク前研修では「どんなものをつくりたいか?」を話し合うと書きましたが、正確に言うとその事については話し合いません。何をつくる?の話は、こどもの姿から出発すべきだと考えているので、ワーク前の研修では、こどもの姿や今みんなで談議したい話題をピックアップし、そのことについて談議します。
研修(2時間)は談議にめいいっぱい時間を使うので、その日のうちに何をつくる?までは、ほとんどたどり着きません。というか、たどり着かせようとはしていないと言った方が正しいかもしれません。何をつくる?のヒントがみえてくればそれでOK!といった感じです。
その談議した内容を専門家のお二人と共有し、井上さんがその思いを設計図におこしてくれたり、木村さんがたくさんの事例を元にアイディアやヒントをくれたりして、ワークの中身が決まっていく…といった流れになっています。
あるワーク前研修の談議で…
昨年秋のワーク前研修で「こども達が園庭に出たがらない」という話題で談議したことがありました。確かにその頃、4歳児クラスのこども中心に「園庭いかなーい」と中にいる姿がよく見受けられていました。
中での遊びが楽しくて出たくないということでもないような、何をするでもなく中にいる…といったような姿。どうしてなのだろう?と談議していく中で、”そもそも大人達はどうなの?” ”出たい!と思える園庭になってる?”という投げかけにハッとし、そうだ、自分達大人が出たいと思えていない園庭なら、こども達も出たいと思えないよね!という思いに着地したのでした。
ならば、大人自身が園庭に出たくなるような、そこにずっと居たくなるような場所(空間)をつくろう!となり、ツリーハウスをつくるに至ったのでした。
「ツリーハウス」※ブログ既出
何のためにつくっているのか?を見失わないために
そうやってツリーハウスをつくるに至った訳ですが、研修を通し職員間でその思いが共有されていたので、”これはこういうこども達の姿があったから、こういうねらいでつくっている”ということを掴みながら取り組めたと考えています。
環境を整えるということは、ただ物をつくるということではなく、”そのスペースをどのように活かしていくのか?” ”そこにどんな思いをのせていくのか?” ”どんなこどもの姿や育ちをねがうのか?”という土台の上に、かたちあるものがつくられていく…ということが大事なのだと実感しているところです。
家を建てるにしても、基礎(土台)が大事ですもんね。
セノ


