生家の井戸端には湧き水の水槽があった

一年を通し山から流れ出た水は我が家の生活用水だった

夏のそこには絶えず茄子 きゅうり トマトが冷えていた

時には大きなスイカも浮かんでいて夕食後の家族団らんを期待した

学校から帰ると 井戸端に走り冷えたきゅうりに味噌をつけ頬張る

通りに面していたので 通りがかりの人が

ここの水は冷たくて美味しいと

柄杓に一杯「ゴクリ」と喉を鳴らして 一息ついて行った

時には美味しそうに冷えたトマトも 会話になった

そんな夏を思い浮かべ 懐かしむ

あの湧き水は何所に行ったのかと考えた

 

昨年に続いて 今年も茄子を育てた

今日 2個収穫して 昔を偲んで 味噌で食す

 

 

 

だんだん手の届かない世界になって行く 自然のままの自然

ニュースは泥水が居間を流れる様子を映し出している