小澤征爾さんの帰らぬ旅立ちを報せています。

追悼報道に記憶が甦って暫し心を揺さぶられる時間が流れました。

世界の小澤さんでしたが私の中ではサイトウ・キネンオーケストラ松本の小澤さんでした。夏の松本にはサイトウ・キネンオーケストラのコンサートだけのホテルを予約し「あずさ」に乗りました。

何度も素晴らしい響きに出会ってきました。2016年のコンサートは圧巻でした。

チケットを求めた時プログラムはブラームスの交響曲第4番でした。が、ベートーヴェンの交響曲第7番に変更になっていました。小澤さんはその時既に体調が優れなく体調面の大事を考慮しての事と示されました。その時のベートーヴェン7番に全身がしびれ、今迄感じた感動を遥かに超えるものでした。

小澤さんは指揮する曲の全てを暗譜して演奏します。その記憶力は比較する対象がないと言われていました。シンプルをシンプルに表現する難しさを会得していた唯一の人と語られていました。演奏者から最高の音色を引き出して最高のハーモニーの完成に魅了されました。

もうあの笑顔にお目にかかる事が出来ません。

音楽が世界を一つにして世界平和へと繋がって行くと語りました。

冬季長野オリンピックは小澤さんの指揮の下で世界中の歌声で繋がっていました。

突然に始まった二つの戦争。

平和を祈る世界的な人達が亡くなって行きます。

平和がどんどん遠のいて行くように思えます。

叡智では救えないのでしょうか……