都響 第1006回定期演奏会Bシリーズ

【定期演奏会1000回記念シリーズ⑪】
8/10都響スペシャルと同演目

 

日時:2024年8月9日(金) 19:00開演(18:00開場)

場所:サントリーホール

 

【完売御礼】都響スペシャル(8/10)

場所:サントリーホール


[出演]
指揮:ダニエル・ハーディング
ソプラノ:ニカ・ゴリッチ

東京都交響楽団


[曲目]

ベルク:7つの初期の歌

マーラー:交響曲第1番 ニ長調 《巨人》

 

 

前プロ12型、メイン16型、両翼配置で、チェロバスが左手、Hrは右手。Hpは2ndと

Vaの間。1番Tim最奥中央、右に2番Tim、左に打楽器。その前に左からTp、Trb、Tub、4番TrbはHrの右手。

コンマスは水谷(以下敬称略)、サイドに山本。弦のパートトップは2nd遠藤、Va篠﨑、Vc伊東、Cb池松。管の1番はFl松木、Ob広田、Cl伊藤(N響)、Fg長、Hr?(トラ)(3番に有馬)、Tp岡崎、Tb風早、Tub佐藤、Timは安藤-久一。

 

久々に日本のオケに客演のハーディング。私自身の直近は2018-19シーズンのパリ管MCOとの来日公演以来。NJPとでは2014年のブルックナー5番が最後だったかもしれません(2016年のマーラー8番は行っていないはず)。

 

同プロを2公演聴いて、都響との相性はとても良さそう。気が早いのですが、インバルとのマーラー・ツィクルスが終わったあとは、是非、ハーディングとマーラー演奏を極めてもらいたいと思わせる、素晴らしい出来だったという印象です。インバルに聴かれるテンポ感の魅力に比べると比較的オーソドックスであるものの、細部が磨かれ、爆発的な一体感はとても高いようにも感じました。

 

前プロのベルクの歌曲はおそらく初聴き。Vnコンチェルトは有名ですが、20歳前後の作品ということもあり比較的聴き易い曲でしたが、音楽の盛り上がりとテキストとの結び付けはもう少し勉強が必要そうでした。ゴリッチは音圧はありませんが、端正な歌唱。

 

ハーディングは前プロはスコアをめくりながら、メインはスコアは置いて暗譜での指揮でした。

 

1楽章、比較的音量のある個所で1日目は神奈川震度5弱の地震で各所から緊急地震速報の音がなり、港区も震度2で少し揺れましたが、またしても地震の引きが強いハーディング、動じることなく指揮を続行していました。

都響のXでは今回、ハーディングの(HARDING SETなる)パート譜持ち込みだったようです。細部の一体感はその効果なのでしょう。

そして、練習番号26前や31前からのテンポアップは一般的な演奏の上を行く速さ。

2楽章冒頭のチェロバス、5小節目の付点二分音符66から少しテンポを上げる演奏。Hr、木管の各ソロが素晴らしい。

3楽章、退廃的な空気感はあまりなく、どちらかというと高水準に清潔な演奏。

4楽章は1日目でHrの一部飛び出し、2日目はTpの一部欠落があったかと思いますが、あまり気にならないくらいの音圧や一体感のある演奏で、1日目の手探り感は2日目にはみられず、ハーディングも拍を振らずに大きくフレージングに重きを置いた指揮が多くみられたかと思います。

やはり練習番号52からの音圧、練習番号60からのたたみ込み(練習番号44も)が今回の演奏のハイライトに感じられました。

 

2日とも少しノイズの多めな客席(1日目は静かな箇所での物落とし複数回、2日目は少しマシなくらい)で、終演後の拍手は1日目は早く、2日目は休符1拍分は待てた感じでした(スコアどおり2拍分の休符は待ちたいところ)。

拍手は1日目の方が大きく、NJPでよく聴きに行っていた方のカムバックは多そうでした。2日ともハーディングへのソロ・カーテンコールが1回あり。私も都響への更なる客演を期待して拍手を送りました。

 

マーラー1番実演の順位づけは
BEST=マゼール/東響(2011年11月)
2=上岡/NJP(2016年3月)@SH
3=インバル/ベルリン・コンツェルトハウス管(2019年7月)@ST
4=メータ/BRSO(2018年11月,花の章付き)@GG

5=ゲルギエフ/Mph(2018年12月)@SH

6=ヘンゲルブロック/NDR(ハンブルク北ドイツ放送響)(2015年6月,花の章付きハンブルク稿)@SH

7=S.オラモ/ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管(2010年3月)@SH

=M.T.トーマス/サンフランシスコ響(2016年11月)@SH

ハーディング/パリ管(2018年12月)@SH

10=インバル/都響(2012年9月,チクルス)

11=サロネン/フィルハーモニア管(2013年2月)

12=ハーディング/スウェーデン放送響(2010年6月)

13=ハーディング/都響(2024年8月)@SH

14=ギルバート/都響(2018年7月,花の章付きハンブルク稿)@SH

15=セガン/フィラデルフィア管(2014年6月)@SH

16=ハーディング/NJP(2012年5月)

17=ノリントン/N響(2011年4月,前プロで花の章)@NH

18=下野/読響(2015年10月)

19=ルイージ/PMFオケ(2011年8月)@SH

20=小林研/読響(2011年8月)@SH

21=広上/京都市響(2014年3月)@SH