明石海峡大橋を間近に眺める舞子は、かつては関西の富豪の別荘地でした。



◾️孫文記念館(移情閣)

この建物の前身は、神戸で活躍した中国人実業家呉金堂の別荘「松海別荘」でした。

孫文との関わりが深い「松海別荘」は、

1983年に神戸華僑総会から兵庫県に寄贈され、日本や神戸と孫文の関わりを中心に展示する記念館になりました。


外観は洋風で八角三層の楼閣が特徴的ですが、

内部は中国の伝統的な装飾が施されてます。

1階天井は龍、2階天井は鳳凰


楼閣内の階段内壁を飾る豪華な「金唐紙」

展示品の中には、孫文と宋美齢の服が再現されており、このデザインは中国では人気とか。


孫文記念館の窓から明石海峡がよく見えます。



◾️ 旧武藤山治郎邸(旧鐘紡舞子倶楽部)

1907年に建てられた木造2階建てコロニアル様式の洋館で、円形のバルコニー・スレート葺の屋根・下見板張りの外壁が特徴です。

明石海峡大橋建設に伴う国道2号線拡張工事のため洋館だけが現在の場所に移築されました。


構造材の大部分や外装材の一部は新材で再現されましたが、建具や内装仕上材は当初のものが使われています。

1階食堂のテーブルセッティング、飾られた花(ブリザードフラワー)は「ハクモクレン」

見上げる高さの白い花を間近に眺めました。


暖炉や家具も当時のものが残ってます。


1階のホールの先は応接室

2階ホール、書斎、広間

広間の外側に円形バルコニー(外出不可)


ステンドグラスや装飾ガラスは当初のもの


1階ベランダ、この上が円形バルコニー

洋館の意匠を模して新設された付属棟のベランダは喫茶スペースになってます。


青空とおだやかな海と明石海峡大橋を眺め、

夏の海 風と珈琲 のたりかな 



シーサイドホテル舞子ビラ神戸の近くに緑豊かな木立に囲まれた閑静な和風建築があります。


◾️旧山下家住宅

旧木下家住宅は、もとは又野良助氏が私邸として昭和16年に建てた数寄屋造近代和風住宅。


昭和27年に木下吉左衛門氏の所有となり、平成12年にご遺族から兵庫県に寄贈されました。

創建時の屋敷構えをほぼ完全に残す貴重な和風住宅として、平成13年には国の登録有形文化財に指定されました。

座敷や広縁から見える庭園が美しい


玄関脇にある応接室


広縁の先にある書院


座敷、書院、茶室の座敷と床の間


繊細で美しい障子


技巧を凝らし欄間飾りや竹格子

平日午前の開館間もない時間帯に、旧木下家住宅や旧武藤山治邸を訪ねたのは私1人だけ、孫文記念館で出会った人は数名でした。