春の滋賀・京都の重伝建を巡る旅をしました。


滋賀県には重伝建(重要伝統的建造物群保存地区)が4ヶ所あります。


これまで訪ねた、大津市坂本と近江八幡

訪ねてない、彦根市河原町・芹町と五個荘金堂


今回は東近江市の五個荘金堂を訪ねました。

五個荘金堂へはJR琵琶湖線能登川駅前からバス便があります。



五個荘金堂は、近代日本経済の基礎を築いた近江商人の発祥の地、


現在も近江商人の本宅と伝統的な農家住宅が美しい街並みをつくり出しています。

大和郡山藩の金堂陣屋を中心に寺院が置かれ条里制の町割りで商家・農家が並びます。

金堂地区の美しい街並みを形成する要素が街中を流れる水路、澄んだ水中をゆったり泳ぐ緋鯉

各屋敷には「川戸」が設けられ、水路から引き込んだ水で野菜などの洗い物に使ってました。



五個荘を訪ねる機会があれば、ぜひ訪ねたい店が2軒ありました。


近江商人屋敷が並ぶ金堂町から少し外れた、

繖山麓の鄙びた集落に佇むgenzaiと湖香六根。


◾️ギャラリーカフェgenzai(旧ハクモクレン)

築200年の商家をリノベしたギャラリー&カフェ「ハクモクレン」は閉店しましたが、


陶芸家(元芸大教授)の前店主から美意識を共有できると見込まれた現店主が引き継ぎ、

2022年4月にgenzaiがオープンしました。

店に入ると土間は陶器が並ぶギャラリー、

靴を脱いで上がった広間がカフェスペース


縁側のテーブル席に座り、サイフォンで淹れた珈琲を飲みながら静かな時間を過ごしました。


genzaiから歩いて数分の狭い路地奥にランチを予約したお店があります。


◾️ 湖香 六根

築180年の入母屋造の古民家「秀明庵」

「秀明庵」が再生されて古民家カフェとなり、オーナーは変遷し2017年に「湖香六根」が開業

庭園の美しい紅梅が見える座敷で、琵琶湖の天然すっぽんや琵琶湖の幸、近江の地元食材を使った料理をいただきました。


先付は瀬田の蜆のスープ、近江八幡の丁子麩、干榎茸、海老芋、ハト麦

八寸は琵琶湖の天然すっぽんの加薬粽から、

八寸には、永源寺鹿、ヤーコン金平、テンペなど

松の露の酒粕で漬けたクリームチーズは絶品


湖香六根で人気があるのは琵琶湖の天然すっぽんの養生スープ

湖香六根の養生スープを目当てに来店する常連さんも多いそうです。


上は琵琶湖のハスを信長葱で巻いた一品

中は花咲くらげの白和え、菜の花と新芽も

下はイチボの粕漬け、蕗の薹味噌を添えて

〆は近江牛のお茶漬け、ご飯は古代米など

デザートは米麹を使ったクレームダンジュ

もう一品は寒天の中に豆腐「雪豆腐」、金柑シロップでいただきました。

琵琶湖の幸や近江の食材がいっぱいのお料理、たっぷり2時間半をかけていただきました。


湖香六根の玄関にずらり並ぶ果実漬け、常時5、6種類が食事に合わせていただけます。

カウンター上の籔には乾燥させたお茶の花、

昨年秋に茶畑で摘んだそうです。


湖香六根でゆっくり食事した後は、JR琵琶湖線で能登川駅から草津駅へ、


北から来る中山道と東から来る東海道が合流する場所にこの道標があります。


近くに草津宿の本陣跡や脇本陣跡が残ってます。

草津宿本陣は月曜日休館でした。


東海道沿の本陣前から中山道方向を見ると隧道があります。

草津宿を流れる草津川は川底が高い天井川、

明治19年に中山道と東海道を繋ぐ草津川隧道が掘削されました。

京滋の重伝建を巡る旅の初日は草津駅前のホテルに泊まりました。