奈良では「お水取りが終わると春が来る」と言われてます。


奈良に春の訪れを告げる東大寺二月堂の修ニ会(お水取り)を初めて観て来ました。


修ニ会の時期、二月堂に登る石段や回廊下の芝の斜面は竹矢来で囲まれます。

お松明をかついだ童子が走り抜ける回廊

この石段を童子がお松明をかついで登ります。


松明上堂の朝、各地の講から寄進された材料を使い童子さん達がお松明を製作します。


松明は長さ6〜8mの根つき真竹を使い、重さは40kg、12日の籠松明は重さ60kgになります。

修ニ会に参籠する十一人の僧侶「練行衆」には1人に1人づつ童子がつきます。


二月堂の下の閼伽井屋の中にある若狭井から水を汲み、二月堂本尊に供える秘法が「お水取り」と呼ばれ、12日の深夜に執り行われます。

童子が燃えるお松明をかついで二月堂の回廊をかついで走る行事は3月1日から始まります。


お松明の火の粉がかかる二月堂下芝生は人数制限があり、入場するには早くから並びます。


日が暮れる頃、ぎっしりと見物客で埋まります。

私は午後6時に石段下に着いたので、規制線から数列目の好位置に陣取れました。

3月12日のお水取りの日は凄い人出でしょう。


松明上堂の始まる午後7時に周囲の照明が消され、二月堂内の灯りだけになります。

3月1日から11日、13日、14日はお松明は10本

3月12日のお水取りの日は籠松明が11本






私が見物した日は10本、約20分の行事でした。


奈良で泊まった宿には修ニ会で使ったお松明が展示してありました。

松明は思っていたより大きくてビックリ、これをかついで走るのは相当な体力が必要でしょう。


練行衆が修ニ会中に着用する小袖「紙衣」

左 : 練行衆の二月堂内での履物「差懸」

右 : お松明の燃え残りの木、降ってきた燃え滓を拾って厄除けの護符とする風習があります。


東大寺二月堂の修ニ会は、約1300年絶えることなく続いていると知り感慨を新たにしました。