冬の奈良の旅2日目は終日奈良ホテルからの徒歩圏ですごしました。
ダイニングルーム「三笠」の興福寺五重塔が見えるコーナーで奈良ホテルの朝食、
1泊目の朝は茶粥の和食にしました。
奈良に来たら朝はやっぱり茶粥です。
荒池の対岸に見える建物は名料亭菊水樓、
「乱酔した男たちが騒いでる」と和辻哲郎が腹立たしく思った景色は目の前にありました。
その右奥には朝日に輝く大仏殿の鴟尾
朝食前はまだ暗いので早朝のならまちウォーキングはやめておきました。
茶粥の朝餉を済まし朝の珈琲を味わってから午前9時に開門する新薬師寺に向かいました。
新薬師寺は奈良町の東の端、奈良ホテルから歩いて20分ほど朝のウォーキングにいい距離です。
和辻哲郎の「古寺巡礼」で最初に登場する奈良が新薬師寺、学生時代からいつか訪ねたいと思っていた古寺に半世紀過ぎてやっと訪ねました。
これから薬師如来と十二神将と対面します。
新薬師寺の堂内は撮影厳禁🚫
画像は庫裡で上映される紹介ビデオより、
薄い暗い新薬師寺の本堂内でただ1人、
天平の仏たちと静寂の中で向き合いました。
本堂を出て境内を散策、鐘楼、香薬師堂
庫裡から眺める織田有楽斎の庭
かつては広大な伽藍の新薬師寺でしたが、
天災や戦火に見舞われ現在は本堂を中心とした小さな寺院です。
しかし、奇跡的に残った仏像はどの有名寺院にも劣らない崇高で素晴らしいものでした。
新薬師寺の帰りに志賀直哉旧居を訪ねました。
道端の柿と鹿の群れ、これぞ奈良の景色です。
春日神社に近いならまちの東の外れに志賀直哉旧居があります。
志賀直哉が自ら設計し、家族と共に9年間暮らした旧居で、現在は奈良学園のセミナーハウスとして使われ一般公開もされてます。
この旧居は窓が大きく開放的で巧みに美しい景色を切り取っているように思いました。
特に若草山が見えるこの窓が素晴らしく、若草山焼きの日には大阪から料理人を呼んで、家族や友人とご馳走や山焼きを楽しんだとのこと。
書斎、お茶室、ご自身の居室、それぞれの部屋をご自身や家族のライフスタイルを思い描いて設計されたと感じました。
洋風の食堂は特に広く、来客との家族ぐるみの賑やかな夕食や交流が持たれたようです。
これまで数多くの名士の旧宅を見学させてもらいましたが、志賀直哉旧居ほど家族との生活の温か味を感じた住居はありません。
志賀直哉旧居を後にして、ならまち散策
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ならまちのランチは古民家カフェで、あまりデザインの手を加えてないレトロな店が好きです。
暖かい冬の日差しが格子の影を落とす窓際で、この店のお決まりのごはんを食べました。
店内を見渡すと私以外は全員女性、ならまち一人歩きの若い女の子が多かった。
午前中は「ならまち」を歩き、
午後は「ならきたまち」を歩きました。