■伊能忠敬の街

佐原は伊能忠敬が育った街

伊能忠敬の銅像が3体、石像が1体あります。

佐原駅前ロータリーの伊能忠敬像(左)、

諏訪神社近くの佐原公園の銅像(右)は台座+像の高さが8.8mもあります。


伊能忠敬記念館の裏には伊能忠敬石像と象限儀のオブジェがあります。

伊能忠敬旧宅にも小さな銅像がありました。


伊能忠敬旧宅は小野川沿のジャージャー橋の前に残っています。

旧宅は無料で見学できます。


伊能家は旧佐原村本宿組の名主を務め、酒造業や米穀売買などを家業としてました。


小野川側に面した店舗部分

台所だった部屋に測量グッズが展示


主屋は寛政5年(1793年)、忠敬が48歳の時に自ら設計して建てたもの。

忠敬は寛政6年に家業を長男に譲って隠居し、翌年江戸に出て日本地図作りの第二の人生を始めたのでこの主屋には長く住まなかった。


伊能忠敬旧宅の小野川を挟んだ対岸に伊能忠敬記念館があります。

伊能忠敬記念館の手前に伊能忠敬の子孫が営む「珈琲 遅歩庵いのう」


この店は「東京バンドワゴン」のロケ地


伊能忠敬の墓は東上野の源空寺にあります。

この寺は妻の実家の菩提寺、お墓参りする時は伊能忠敬のお墓にも手を合わせます。



■佐原三菱館と商家巡り

小野川に架かる忠敬橋から赤レンガの洋館が見えます。この建物は大正3年(1914年)に川崎銀行佐原支店として建てられました。


その後、三菱銀行佐原支店として使わ平成元年に市に寄贈され「佐原三菱館」と呼ばれるようになりました。

館内には銀行カウンターが復元されてます。


旧三菱銀行佐原支店は「佐原街並み交流館」となり、館内には「さはら雛巡り」の雛人形や歴史的建造物の模型が展示されてました。

当時の商家の姿が再現された精緻なドールハウスは地元出身の橋本京子さんの力作です。

佐原の街中を歩きここに展示されたドールハウスと現在の姿を比べてみました。


「中村屋商店」

小野川と香取街道が交わる角にあり、代々荒物・雑貨を商ってました。

住居兼住宅は安政2年(1855年)の建築

現在は佐原商家町ホテルのGEISHO棟でcafeになってます。地元さつまいもの"生搾り"モンブランが人気です。


「正文堂書店」

黒土蔵造りの商家は明治13年(1880年)の建築

ドールハウスの店頭には昔懐かしい雑誌のミニチュアが並んでます。

現在は「さわら十三里屋」という芋を使った和菓子の店になってます。

安納芋のなめらかプリンが人気。


「小堀屋本店」は天明2年創業の蕎麦屋、現存する建物は明治23年に建てられました。

現在も蕎麦屋を営んでおり、昆布を加工した「黒切り蕎麦」が名物。


「福新呉服店」

文化元年(1804年)創業、明治末期から呉服商を営んでます。住居兼店舗の建物は明治28年に建てられた土蔵造り。

現在は7代目が服飾雑貨の店を営んでます。


「木の下旅館」

明治34年創業の小野川沿に建つ船宿で、当時の建築が残っています。

現在は和食のお食事処となっています。


「正上(しょうじょう)醤油店」

正上は寛政12年(1800年)の創業、食用油を商い天保3年(1832年)から醤油業を営んでます。

店舗は天保3年の建築です。

店の前の小野川の川岸には荷揚場だった「だし」が残ってます。

現在は醤油屋醸造元が始めた佃煮・いかだ焼本舗「正上」がよく知られてます。


正上で佃煮のお買い物

わかさぎいかだ焼、やき蛤、やき牡蠣、あさり串、商家ホテルの部屋呑みの肴にしました。



■酒蔵見学

かつて佐原には蔵元が36軒ありましたが、

現在では勝海舟ゆかりの馬場酒造と東薫酒造の2軒だけになりました。


佐原商家町ホテル・ルアンの目の前にある東薫酒造で酒蔵見学と試飲を楽しみました。

佐原に来る前に酒蔵見学をちゃんと予約。


酒蔵内は撮影不可、年代物の巨大な貯蔵タンクがズラリと並んでました。


酒蔵見学の後はお楽しみの試飲、 

蔵元で呑む酒は最高の「角打」です😋


無料試飲はミニグラスで飲み比べ、

東薫酒造が誇る大吟醸「叶」は有料試飲、

大きめのグラスでいただきました。



■オーベルジュ ド マノワール吉庭

伊能忠敬像のある佐原公園近くに800坪の日本庭園に佇む和風建築のレストランがあります。

オーナーシェフ吉塚義雄の創作料理と四季折々の庭園を楽しめます。

庭園の眺めのよいテーブルに案内されました。

ランチタイムはお手頃な和洋折衷の松花堂弁当もありますが、美しい庭園を眺め優雅にフレンチのコースとワインペアリングを楽しみました。


まずは前菜とスパークリングワイン

テリーヌ、エビサラダ、淡白な味のカジキマグロは濃厚なソースでいただきます。


たっぷりパンプキンスープ

敷紙は水郷のあやめ


魚料理は白ワインで、焼きたてパン

鰈のポアレ、ノエリーソース


肉料理には赤ワインで、

房総ポークのマスタード焼き、付け合わせの蓮根は水郷から。


今どきのインスタ映えするフレンチじゃないけどソースがどれも美味しい本格派です。


フレンチのコースですがここは和洋折衷

帆立時雨煮のご飯が懐かしい味


デサールもヴォリュームたっぷり

食後の珈琲は庭を眺めて、帰りの電車の時間までのんびり過ごしました。

佐原の街には訪ねたい場所がいっぱい、

あやめの咲く頃にまた訪ねたいと思います。



次回の佐原紀行④は来週お届けします。

今回は寺社を4ヶ所訪ねました、初めて参拝する所ばかり、どこか分かるかな?