立冬の日、久しぶりに伊勢藤で燗酒が呑みたい気分になり神楽坂に出かけました。
伊勢藤の開店は午後5時、その前に紅葉が始まった小石川後楽園を散策しました。
飯田橋に近い東門から入場すると、目の前に後楽園の中心「大泉水」が広がります。
大泉水に配された「蓬莱島」、水辺の石には青鷺が佇んでました。
すっかり枯れた蓮池と対照的に熊笹の築山「小廬山」は明るい緑に輝いてます。
西湖の堤と静かに木影を映す大堰川の水面はコローの絵画を見るような感じです。
大堰川に架かる渡月橋を渡ると屏風岩、ここから山道に入ります。
奥に見える赤い橋は「通天橋」、京都東福寺の通天橋を模して造られました。
まだ紅葉してないけど通天橋から眺めるモミジは絶景だと思います。
通天橋を渡ると「得仁堂」が見えてきます。
光圀18歳の時、史記「伯夷列伝」を読み感銘を受け、伯夷・叔斉の木像を安置
「得仁堂」からさらに山道を進むと神田上水跡に架かる「円月橋」があります。
明の儒学者朱舜水の設計と言われてます。
この石段は愛宕坂、右側が急な男坂
小石川後楽園には琵琶湖や京都を模した景色が随所に見られます。
山道から下ったところに杜若の池、花菖蒲田、稲田があります。
後楽園の木立の向こうに東京ドームの白い屋根が見えます。
※東京ドームや後楽園遊園地もかつては水戸徳川家上屋敷でした。
明治維新後、新政府が買い上げ東京砲兵工廠となり、山縣有朋らの提言で庭園部分が「後楽園」として保存されました。
「九八屋」前の浜からみた蓬莱島
水面に写る紅葉が美しい
西日を受けると一段と輝きを増します。
大泉水の東側に唐門があります。
睡蓮の池に架かる美しい曲線の石橋
内庭にはかつて水戸藩書院がありました。
西門から入場し園内をぐるっと巡り内庭の先の東門から小石川後楽園を後にしました。
小石川後楽園から飯田橋まで戻り、
夕暮れが迫る神楽坂にやって来ました。
まだ伊勢藤の開店まで時間があったので神楽坂を赤城神社まで歩きます。
ちょうど赤城神社で日没を迎えました。
隈研吾が設計した赤城神社本殿のガラスに夕映えが映ります。
神楽坂の風情のある石畳の裏通りを通って伊勢藤に向かいます。
神楽坂の表通りに出る手前に目指す伊勢藤があります。
少し早く着いたので午後5時を待ちます。
伊勢藤の行燈が灯ると開店です。
伊勢藤の店内は写真撮影は不可、
前回訪問した時に卓上の酒と肴を写したら、
すかさず店主に注意されました。
現在の店主は50年前に初めて訪ねた伊勢藤で燗番していた老女将のお孫さん。
お通しと燗酒二本で小一時間過ごし、
店を出るとそこは夜の神楽坂。
これから夜の神楽坂に向かう人とすれ違いながら飯田橋駅に向かいました。
飯田橋南口の空、小望月が綺麗でした。