BS-TBSで『ライバルたちの光芒』が再放送されてます。
歴史上のライバルを取り上げて、
二人の歴史家(or作家)がそれぞれの人物の素晴らしさや生き様を語り、
最後にMC髙橋英樹がどちらかの人物に軍配を上げる番組です。
戦国武将のライバル対決が多いのですが、
女性対決"北政所vs淀殿、天英院vs月光院"もありこちらは世継ぎを巡る戦いです。
今回の清少納言vs紫式部は、
文学対決というより定子・清少納言サロンvs彰子・紫式部サロンの人気対決であり、
一条天皇の後嗣を巡る藤原氏内の権力争いの代理戦争でもありました。
枕草子と紫式部日記がこの戦いの舞台です。
清少納言と紫式部の際立った性格の違いが最後の軍配の行方を決めました。
■ 定子・清少納言サロン
定子は関白藤原道隆の娘
14歳で3歳年下の一条天皇の皇后となる
明るく才気のある女性
家庭教師は清少納言
■ 彰子・紫式部サロン
彰子は藤原道長(道隆の弟)の娘
12歳で8歳年上の一条天皇の皇后となる
家庭教師は紫式部
後一条天皇、後朱雀天皇の生母
■ 『香炉峰の雪』をめぐって
枕草子で皆さんよくご存知『香炉峰の雪』
当時最高の教養であった漢詩の情景を定子と清少納言がさらっと演じて見せ定子サロンのハイソぶりをアピールしてます。
紫式部日記では、こうした振る舞いの目立つ清少納言を「したり顔にいみじうはびける人」とディズってます🤣
その紫式部は自分は漢字の「一」も書いたことがないと謙遜してます(まさかね)😅
■ 『源氏物語』は元祖連ドラ説
彰子が一条天皇に入内したのは12歳の時、華やかでハイソな会話が交わされる定子・清少納言サロンに比べて魅力に欠けました。
そこで道長がスカウトしたのが源氏物語で売り出し中の流行作家紫式部。
まだ幼い彰子の家庭教師兼彰子サロンのエンターテナー役です。
源氏物語の一帖を美しい声の女房が読み上げる恋の行方は宮廷内で評判となりました。
(見てきたような解説です😅)
大スポンサー道長は当時貴重だった輸入品の紙や墨を惜しげなくこの流行作家に与え、
次の一帖の書き上げを急かせました。
(鬼の編集者顔負け😎)
やがて幼い彰子も恋の機微が分かる女性に成長し一条天皇と仲睦まじくなりました💘
■ 彰子は平安時代のキョセム?
CSチャンネル銀河で放映中のキョセムはオスマン帝国で最も権力を持った皇帝妃、
息子や孫が皇帝となり母后としてハレムに君臨するだけでなく政治にも介入しました。
血生臭いオスマン帝国と平和で優雅な平安朝とは比較になりませんが、
彰子は二人の息子が天皇となり道長なき後の藤原摂関家を率いたゴッドマザー。
しかし彰子は一条天皇の思いは定子の子敦康親王を天皇にしたかったと知り、一族が左遷された敦康親王を庇護します。
彰子と定子は従姉妹同士、敦康親王は愛する一条天皇の愛児、自身の甥です。
高貴な生まれと育ちの彰子と、奴隷出身で生存競争を勝ち抜いたキョセムと並べるのはやはり無理がありました😅
■ ライバルの女流作家は戦った?
清少納言と紫式部は同じ時期に宮廷にいた訳ではなく、後から宮廷に入った紫式部が一方的に清少納言をディズリました。
清少納言が定子に仕えた時期は、定子の父道隆の死から一族が没落に向かう失意の時代。
枕草子は暗雲を感じさせず定子サロンの輝きを書き綴られました。
紫式部は源氏物語で彰子サロンを盛り上げる一方で紫式部日記で定子サロンをこき下ろす役割を担わされていた。
でも紫式部は同僚の和泉式部もディズってます。
■ 高橋英樹の軍配はどちらに
枕草子と源氏物語の文学的な優劣ではなく、清少納言と紫式部の生き様や人柄の好き嫌い。
明るく才気活発で定子を支え続けた清少納言に軍配が上がりました。
私も清少納言に1票入れます。
とはいえ源氏物語は高校の古文で習ったくらいで、私に文学を語る資格はありません。
私にとって源氏物語は、スポーツ投扇興の得点表で知る世界でした。
得点には源氏物語の各帖の名が付いてます。
高得点「ゆめのうきはし」50点
〃 「よもぎふ」 35.点
※高得点は偶然の産物、狙って出せる点じゃありません。
低得点「すえつむはな」 3点
〃 「はなちるさと」 1点
※蝶も扇も箱もバラバラになるのが花散里、扇が当たらないと手習0点、箱を倒すと減点です。
しかし末摘花が低得点というのは、ちょっと可哀想。
この扇はスポーツ投扇興のマイ扇
私は一時期あまり優雅じゃないスポーツ投扇興にハマってました😅
週の半ばですが、水曜日朝に画像クイズをお出しします。