「浄めの雨だ、有難う」と感謝を言うと、小ぶりになって太陽が出てきました。

七人の侍たちは「これってどういうこと?お祈りってのは、
ちょっと凄すぎない。」

と言いながらも、みんな良い
表情を浮かべていました。

そんな顔を眺めていると、
胸の中に暖かいものが、
つまり胸に温泉が沸いたのです。




海坊主はもう一度見てみたいと欲が出ました。

良い事は、3度起こるともいいますから、3度目に期待したいものです。





 四重の虹体験

富士山の噴火の危険がささやかれたのをきっかけに

噴火を
止めるのはできないが、小さな噴火を何回も繰り返すように
お願いすればどうなるか、

と新しい地震鎮めのメンバーから話しが出て富士山噴火鎮めの
プロジェクトが始まりました。


その話し合いの中の意見に、
伊豆半島があれだけの温泉天国になっているのは、

富士火山帯が通っているからで、まず直接富士山に働きかける
より、

火山帯の途中で噴火の流れを
止めるのも効果があるのでは

ないかの意見になんとなく魅力を感じていました。

富士火山帯は、駿河湾の西側で伊豆半島の西側を通っている
から、

その中で高温の温泉と言えば、

西伊豆の土肥温泉ではないだろうかと

温泉通からの意見を受けて
土肥温泉に下見に行くことが
決まりました。

私も温泉を掘って日帰り温泉を経営した経験があるので、

下見の役をかって出ました。

早速、土肥の湯の街をワクワクしながら散策していて、

まず土肥海岸を見てみようと、
温泉街が途切れた所から海岸
に出ました。

ビーチのきめ細かな砂の上を
気持ち良く裸足で歩きました。

すると最初に目についたのは
土肥海岸の真ん中に位置して、

並び立つホテルの中で1番高級そうなホテルでした。

宿泊にいいな高そうだなと思いながら、

まあ参考までに宿泊料やどんな応対をするのか、ホテル側の姿勢を見てみようと思って、

フロントに行き支配人に面会を求めました。

待つこと、4 、5分で中年のがっちりした体格、髪を切り込んだやり手げな男性が

「お待たせしました。ご宿泊のご相談と伺っておりますが、手前どもに何かご要望がございましたら、なんなりとお申し付け下さい。」
と、

丁寧な口振りにつられて

「実は少し突飛な話になりますが、最近富士山の噴火の話題が出ているのはご存知でしょうか?

私たちは地震鎮めのグループ
活動をしていまして、

富士山の噴火鎮めの祈りと集まりを催したいと計画し、

富士火山帯の真上にある土肥
海岸でお祈りをしたいと思っています。

このホテルに泊めていただき、ホテル前のビーチでお祈りと
禊ぎをさせていただきたいの
ですが…。」

と、私が言うと

「ありがとうございます。
私達も大変気になっておりまして、

そんな大切なお祈りをしてくださるのは大歓迎でござい
ます。
私どもでできる事は協力させていただきます。」

と好意的な返答がありました。

私は念のために宗教団体とは全く関係のない活動で、

純粋に震災の被害を少なくしたいだけです。

と言うと、支配人はほっとした顔をして、では、日時はいつ頃でございましょうと人数は何人様で?の問いに対し、

高い宿泊料でない方が人数は集めやすいので、いつ頃が安いのか逆に教えてもらいたいと言いました。すると、

夏の繁忙期の直後の9月が意外と安くできるのですが、一般のお客様はあまりご存じないのですと言い、

通常は個人客は10%引きで団体様は20%引きですが、特別に30名様以上であれば30%引かせていただきますと、

大変ありがたい対応をしてくれました。

土肥温泉から近い伊豆国市に、知人のご夫婦が住んでいて
夫が建築家で、夫人が作家兼ライターをされているお宅に

泊めさせていただきました。

この日は旧交を温めて、楽しい一夜を過ごせました。

彼らも協力的で、お祈りの当日は2人で参加すると、

そしてお祈りの準備に、
前もって土肥温泉に来る際は
再びこの家にお泊まりください

とご好意をいただきました。

このご夫婦の家は、会社が使用していた社員寮を改築し夫の知識を生かして、自宅と民泊のような形にする途中でした。

伊豆の国のこの辺の民家には、ほとんど温泉が引き込んでいるそうです。

地震鎮め、噴火鎮めの前日にはメンバー5人で宿泊をさせてもらい、余裕を持って準備ができて大いに英気を養えました。

再度伺ったときには休憩室が
図書館に早変わりして
いました。

こんな大量の書物は、どこから仕入れられたのかと伺ったら、

彼女の父君が文学者であったのと、その関係者の協力で、
一気に集められたのだそうです。

住居が宿泊施設になり、図書館も併設して、地域の文化の中心になっていたのは驚きでした。

いよいよ富士山噴火鎮めの第1日目が始まりました。


現地、土肥温泉に3時に集合するよう参加者には伝えてあり、各地から35名が集まってきました。

落日の気を使って噴火エネルギーの鎮静化と分散をお願いする祈りは、

予想を超える迫力で土肥温泉湾内に響き渡り、

それに反応して、大小の魚たちが海面上に飛び上がりました。


お祈りが終了後は、全員が禊ぎをしましたが、温泉のように暖かい海につかり露天風呂に入っているように、気持ちが良く、禊ぎの終了の気合の合図後も海水にとどまっていました。

禊ぎの手順としては、海に入る前に、天の鳥舟運動をして、心拍数と体温を上げて、入水しないと心臓麻痺などの危険性があります。

気合と共に海水に入り、富士山噴火鎮静化の願い、真言を唱えた後、個人の願いを1つだけかけ、

再び真言を唱えた後、気合とともに海から上がり、仕上げの天の鳥舟運動を行い禊ぎが終了しました。

禊ぎを終えた人たちが満面の笑みをたたえ、しかも夕日が海面を黄金色に照らしていて、

背後に土肥金山がある、絶好のダイナミックな景色に酔っていました。

私は危険がないようにだけ気を配って只見守っていました。

海から上がってきた人たちは、口々に

「素晴らしかったです!」

を連発していました。中には
クセになりそうですとも、

こんな感想を聞ける喜びを噛み締めていました。

お祈りと禊ぎを終えた人たちは、館内にある温泉のお風呂を堪能した後、

大広間に集合して、夕食の豪華なビュッフェスタイルのご馳走に舌鼓を打ちました。

支配人がやってきて、今夜の料理は当館でできる精一杯のおもてなしですと私の耳元で言いました。

私は賑やかになる前に明日の
予定をアナウンスしました。

「早朝6時半からお祈りをして8時から朝食です。

支配人さんのご配慮で当ホテルの最高のお料理を出していただきました。

どうかゆっくりと味わって召し上がって下さい。お楽しみ下さい。」

と支配人に全員から拍手を貰いました。

お酒が回ると、みんなの口がいつもより余分に回って、35人が一気に盛り上がりました。

大方の話のスタートは、宿泊料がそっくりお料理に行っちゃったみたいだと好評でした。

土井温泉の南にある阿久須うぐすの魚貝類は一級品と食通の間では有名で、支配人によれば






真心のささやきを貴方へ❤️