何度も襲ってくる悪魔のささやきをかい潜りながら、

真夜中の12時を過ぎ
Hさん夫婦には何かを口にして
仮眠を取るように言いました。

2人とも今は眠る時では
ありません。
ぜひ一緒に祈らせてください。
ただし居眠りをお許しくだ
さい。

とこの2人の申し出で、師である瑞道先生からの巻物を持ってきたのを思い出し、

それを自分の荷物から取り出してB君の頭の上部にある棚に置いてヒモロギを通して祈りの力を受けれるとの思いで、

ここで一段と力が入り、
右手のひらの中心に気を集中させて祈り続けていきました。


祈り続ける能力を身に付けられたのは山行のおかげなのです。

山行は入山口(場合によっては登山口)から下山まで

顕彰大神通力を唱え続けます。

例えば伯耆富士ほうきふじと呼ばれている大山は、

入山口から下山口まで往復8時間頂上でのお祈りと食事が1時間で計9時間を山の中で過ごします。


山行は原則1人で行い危険が伴いますので、季節、天候や体調等の条件が整わないとできません。

山中、山頂で夜を明かすこともあります。

山小屋に泊まったり、寝袋を
使う場合などもあります。

夜明け前は、最も暗く、この時に一気に睡魔が襲ってきます。


Hさん夫婦も眠りに入ってしまいました。しかし、幸いにしてB君は虫の息ながら頑張って
命を
紡いでいます。


私は睡魔に今夜まで持って欲しいと頼みながら、一旦は食欲を満足させて、眠気と戦っていました。

私の右腕は木のようになり、
肩はカチカチに凝って、

背中に痛みが出てきました。

まどろみが来て、気が遠くなってしまいそうになった瞬間、

B君の微かな泣き声が聞こえ、

B君のベッドのシーツがびしょ
びしょに濡れていました。


まどろみの中にいたHさん夫婦は私の
「やったぁ!!」
の声で我に帰り、歓喜の声と
泣き笑いの顔に変わりました。

すぐにナースステーションに
知らせ、当直の看護師全員が
駆けつけてきました。








真心のささやきを貴方へ❤️