父からは何の反応もなく、

逆に私の中に理由があまり分からない不安が広がり始め、

2才下の妹に家の様子を聞くと父は求人のため東北地方の高校をめぐっていて、

2週間ほどは帰らないとの
情報に接し、

ホッと安堵したのと
やはりここは杉並の下井草から川崎までの通勤が大変なので
アパートか下宿をさせて下さい

と男らしく申し入れるべきと思い、父の帰京を待って話し合いに行きましところ、

案外あっさりとそれはそうだ、いつまで続くかと思っていたと言われました。


引越しに関しては何もクレームがなかったのは、

父の方に岸井友子さんとの結婚に反対している負目があったのでしょう。


三畳一間の男の一人住まいに
家具はほとんどいらず、
湯呑みと茶碗、箸と皿、
ご飯茶碗と汁椀、やかんと
万能鍋、

味噌、醤油などの調味料以上のものがあればなんとか一人暮らしができました。


自分で買ったものはほとんど
なく、

友子さんと姉達や友人達が
大部分持って来てくれました。


生まれて初めての一人暮らし
にワクワクしていました。

会社に行く時間さえ守って
いたら、

これ以外はすべて自分の才領で物事が運ばれて行く、

自由度を味わったのも初体験でしたから楽しいばかりの毎日を送っていました。

岸井友子さんは製品倉庫の事務系の仕事を担っていました。

残業がある日も多く、

でも私が川崎に引っ越してからはほとんど毎日顔を合わせて
いました。


友子さんの姉達からはさっさと結婚をしてしまいなさいと度々言われ、

又もや友人達が動いてくれ
ました。

結婚式の日取りは
この年の10月10日、

場所は新宿の三福会館を
第一候補とし、
2人で行って、もし良ければ予約をしてくるようにとまで、

お膳立てをしてくれました。





真心のささやきを貴方へ❤️