親友への助言として第一に
考えたのは、

彼には彼の人生はあるが親にも親の人生があり、

父として、3人の息子達を
立派に育て上げて来た自負と

経営者として会社を成長発展
させて来た実績の集大成が

他人よりは自分の息子に
評価され、


次なる新しい時代に向って

より一層進展させてもらいたい気持ちは良く理解できました。

そこで私は折衷案的発想で
「親父おやじさんに期限を決めて
商社に就職し、

他人の飯を喰ってから会社に
入る約束をしたらどう
だろうか?」

この時代はまだ終身雇用の
色彩が強く上場企業の

一流商社は厳しい選考基準を
設けていました。


私の意見には賛成しかねると
言う顔を彼はしていました。


重ねて
「親父さんに商社を紹介してもらって条件付きで入社したら
どうかな。」

と言うと彼から
「君の意見は現実を無視して
ムシのいい話だけしている。

俺は父親にそんなことは言え
ない。」

と反発が返って来ましたが、
「駄目元で行ってみるべきだ
と思う、このままだと商社に
は行けないよ。」


彼の心が少し動いたようで
「そうかダメ元で親父に掛け
合ってみるか。」

と言ってこれから行く所があるからと別々の方向に分かれ
ました。


何日か経って彼から電話があり

「君の意見は正しかった。
父親がOKをしてくれて、
但し父の息のかかった会社
なら良いと言ってくれた。


他人のメシを喰わなければ
社員の気持ちが分からない。

使う身と使われる身の両方を
知りたいと言ったら喜んで
くれたよ。ありがとう。」

彼は父の意向に絶対服従しな
ければならないと思い込んで
いました。

自分の進む道に自分で壁を
作っていました。




真心のささやきを貴方へ❤️