令和5年7月28日




第182回目


三人体勢の下地作り


馬子にとって厩戸皇子と会う
のは5年ぶり否それ以上時間
が経過していました。


自分に力を貸してくれた13才
の年若き皇子はすっかり
大人びていました。

幼い頃の面影もなくなるほど
逞しくなっていました。


馬子は心の中であれから
5年以上は経っているから
もう19才は越えているはず

と年勘定をしていました。

皇子の身長は馬子を越えて
いますが、

さすがにまだ細身で
白面の貴公子ではありました。



額田部大后は百済くだらから
贈られた螺鈿細工らでんざいく
ほどこされた椅子に座り、


馬子はその脇側立って皇子を
迎え入れました。


皇子が型通り挨拶をしよう
とすると大后は

「お互い良く知った仲、

私は兄とは仲良しで皇子の
ことは良く知っていますよ。

良く来てくださいました。
形式的なことは抜きにして
遠慮なくお話ししましょう。」


馬子も一言

「それがよろしゅう
御座います。」


とだけ言った後続けて

「大后様と相談の上のこと
なのだが、これからの大和の
国の国家のあり方及び運営に
ついて、


この3人で話し合ってみたいと
思って皇子に参内さんだいして頂
いたのです。

それぞれが忌憚なく発言を
して頂きたくお願いします。」


と馬子に続いて大后が

「立派にご成長されましたね。

皇子を誉めない人はいないと
聞き及びます。

亡き兄、用明帝もさぞかし
お喜びであろうと推察して
います。

大臣よりの発案で内乱や
無駄な政権争いのない

平和な世の構築には私達3人
が良く話し合って、

この国に何が足りないのか
何をやめるべきなのかを

具体的にして行きたいと
思います。

そのために若く優秀な皇子の
お力が必要です。

なんなりと思うところを
申して下さい。」








真心のささやきを貴方へ❤️