令和5年7月17日




第171回目
厩戸皇子の活躍


厩戸皇子は馬子に
無理にせがんで白の装束に
銀製の鎧よろいを着け、


意図的に目立つようにして
矢を自分に射掛けさせる
ように仕向けました。


物部軍の射手達はやっきに
なって皇子を射殺そうと矢を
放ちますが、

皇子を守る舎人とねりの前で
ことごとく矢が落ちて皇子の
足元にさえ届きませんでした。


豪弓をあやつる弓の名手の
矢も同じでした。

皇子は心の中で、
これが四天王様の御加護に
他ならないと合点が
いきました。


皇子の脇にいた迹見赤檮とみのいちいに物部軍の総帥そうすいである

守屋の姿が皇子には見えて


「私の指さす方向に守屋の
顔が見えるので矢を射てみる
がよろし。」

と言って赤檮いちいを促すと矢を
引けるだけ引き、

息を止めてヒョーッと矢を
放ちました。

カラ矢ではなく何やら手応え
があったと感じ矢の飛んで
いった方向を見ていると

慌ただしく人の動く気配が
して、

物部軍からの矢が飛んで
来なくなってしまいました。




赤檮いちいは皇子に

「守屋を射当てたかも知れ
ません。
物見を出して敵軍の様子を
見させ見ましょう。」

と言って赤檮自身も走って
皇子の元を離れて行きました。

皇子は馬子に

「大臣、今が攻め時です。

多分守屋が重傷を負ったと
思います。

浮き足だっているとしか思え
ない敵軍の動きです。

全軍に総攻撃の命令を
お出し下さい。」


戦況を馬子が見ていて
皇子の言う通り

主将の身に何か起きている
はずと判断し、

一挙に物部軍を剪滅せんめつ
するべく、

猛攻を開始しました。






真心のささやきを貴方へ❤️