令和5年7月7日





第161回目

本気の馬子決戦の準備

馬子には大きな心配事が
ありました。


自分と肩を並べて朝廷内で
勢力を持つ、物部守屋は古来
からの大豪族であり、

軍事部門の最高責任者である
ところから、

万が一にも武力衝突をすると
蘇我軍では、今の状態から
勝ち目がないと見ていました。


戦時下で指揮をとれる将軍と
しての人材は乏しく

百戦錬磨の物部軍に歯が
立たないと考えていました。


そこで蘇我系初の天皇として
用明天皇が皇位にある内に
蘇我軍の戦力を整えておく

必要性をヒシヒシと感じて
いました。


大后の炊屋姫かしきやひめの許し
をえて出雲額田部ぬかたべの長に

従来の鉄剣よりも丈夫な
ものになるよう、

はがねの量を増やさせ、
切れる上に折れない直剣を
造らせました。


やじりの先端を鋭くさせ、
射抜けるように工夫をさせ、

張りを強めるために従来
使用している麻よりももっと
強い麻に変えさせ、


ヨリも多く縒らせました。


兵員も全く足りないため
出雲からと


池辺皇子の后きさき
穴穂部間人皇女あなほべのはしひとひめみこの丹後の国からも集め、

全国の屯倉みやけを父稲目の
代に充実させていたため

馬子は屯倉を足がかりにして
兵を集めようと考えて
いました。

物部氏の軍と互角に渡り合う
ためには物部の2倍の兵が必要
になり、

勝つためには3倍の兵員を集め
なければならないと馬子は
計算をしていました。

物部守屋の方も
蘇我勢はあちらこちらに
手を回して兵を集めている
という情報は入っていました。

その情報を聞いた守屋は
「頭数を集めても教練を
しなければ鳥合の衆である。」

と気にも止めない様子で
いました。


軍事部門の頂きに立つ守屋に
とっては戦いには自信が
ありました。





真心のささやきを貴方へ❤️