日本料理の「あずま」
に行くと、
もう斉木さんと明子さんが
来ていて
引き戸の中に入って待って
いてくれてました。
しかし、ほんの2、3分前です
よと明子さんが明るく言うと
斉木さんは
「サウナ好きの僕は至福の
時間を過ごしました。
和氣さんも長くサウナに
入っておられましたが、
僕はその2倍は入っていました。すっかりヨーロッパの垢は
落ちたと思います。」
とごきげんの様子のところに
仲居さんが来て
「お待たせ致しました。
4人様お揃いになりましたよう
ですからお席にご案内
致します。」
と言って窓側の成田空港が
すっかり見渡せる場所の席に
案内をしてくれました。
当たり前に2人づつ並んで
座ったところにウェイトレス
が注文を取りに来て、
まずはビールを4つと言った
斉木さんを、明子さんが、
私はお水がいただきたいと
言って、
生ビールを3つ頼み、
おつまみに明太子に
さきいか、
漬物の盛り合わせ、
冷や奴、
ネギのヌタと、
日本にしかない物を次々に
注文して全員嬉しそうでした。
そしてコース料理は避けて、
アラカルトにしましょうと
レンコンのはさみ揚げや、
海老しんじょうなど絶対
西欧にはない料理を注文して
いました。
食いしん坊の斉木さんは
天ぷら定食を頼んで
「ポルトガルのリスボンは
住んでみたいところがで、
スイスのレマン湖はもう一度
行きたい場所です。」
と言い出したのをきっかけに、私が明子さんに
「今回の一生に一度の
新婚旅行は何処が一番
良かったですか?」
とストレートに聞きました。
「シャモニーです。
夜の10時になっても明るいし
青い空が見え、
青空を背景にして、
モンブランなのか、
アルプスの一部なのか分かり
ませんが雪山が見えたのには、
一番感動しました。
そして次の日にモンブランの
山頂を至近距離で見れたのも
良かったのですが、
エレベーターでアルプスの
中腹まで行けるなんて、
私の常識では考えられません
でした。」
みどりが明子さんのシェアー
に乗って
「私もシャモニーの夜が
とても印象的です。
屋根がない、木製のデッキの
上のディナーはアルプスの
澄み切った空気も
一緒に食べたようにも思えて、
普通のイタリア料理が
大ご馳走に感じました。
モンブランに行って一つ
発見したのは、
男性的で体力があり、
勇気もある斉木さんが意外
にも高所恐怖症であるのを
知って、
何か微笑ましく親しみを
感じられるようになり
ました。」
真心のささやきを貴方へ❤️