11月5日 安芸の小富士


サフィニア







キクシ
「張さん、その三国の中で
どの国が優勢なのですか?


たしか伽耶国(かやこく)は
三国の中で小国の集合体の国
だったですネ。」




張さん
「その通りです。特に気の毒な
のは伽耶国で一番勢力が大きいのが新羅で次が百済です。


伽耶は常に新羅の脅威に
晒されています。


百済も伽耶も他国を侵略し
ようとは思っていませんが

新羅の好太王は野心家の上に
キレ者で一筋縄では行かない
人物です。」

讃王は今までは口を挟まず
黙して張さんの話しを聞いて
いましたが

「私は好太王をよ良く知っています。新羅の王族ではないのに
国の支配者になったために何らかの手柄が必要なのです。


彼はまず伽耶を手に入れて、
その後に百済を攻めるはず
です。

何しろ手強い相手です。

その手口は謀略も使います
から伽耶がまだ新羅に下って
なければ、

すでに伽耶は手に入れたと
同然になっていて自軍の準備
が出来た段階で一気に百済
に攻め入るはずです。」


張さんが驚いた顔で
「讃王様は良くご存知ですね。三国の動勢はヤマトには
詳しく分かっているとは思い
ませんでした

恐れ入りました。」

讃王
「実は新羅が力を付けて
くるとこのヤマトに攻めて
来るのではと迎撃態勢を整え
ていました

三国の情報収集をしっかり
していました。

今のところ新羅は足元を
固める方に神経を集中して
いるようです。


いずれヤマトと新羅とは
ぶつかる運命にはあると思い
ます。」


と讃王がそこまで言ってスメラ様の顔を見ました。



スメラ様は建王子に視線をまわして発言を促しました。



腕を組んでいた建王子は腕を
ほどいて

「張さんはどんな目算を
立ててヤマトに来られたのか?


お考えをうかがいたいのですが、まだ言い足りないことが
お有りなのではないですか?」




「お察しの通りです。百済は
伽耶と手を組んでも新羅には
勝てません。

そこでヤマトの応援があれば
間違いなく勝利できます。

私は新羅をほろぼすことを
目的としているわけではなく、

三国が争わず共存共栄できる
ようにして生きたいだけなの
です。


それに私や部下達も庸兵
(ようへい)に出されたり


国に戻って来ると隣国との
闘いと戦に明け暮れていて
生きているのが辛くなって
います。



以前ヤマトの皆さんと共に
闘った時にできれば平和主義
のヤマトで暮らしたいと語り
合いました



何人かは皆さんの仲間に
入れていただきました。」



ヤマトの闘いの見事さを見て
故郷の平和は
ヤマト式しかないと思って
お願いに来たのです。


一兵も殺さないキクシ様の

闘い方には舌を巻き感激も

一入(ひとしお)でした。」




いよいよ神功天皇(記紀では
神功皇后)の三韓征伐の背景
と歴史的物語が本格化します


キクシの大活躍を乞ご期待❣️



真心のささやきを貴方へ❤️






和氣先生との対話もご覧になって下さい↓