11月4日  目の覚めるような薔薇🌹




キクシが張さん、金さんと
スメラ様の御前に出仕すると
そこにはヤマトの主だった

重臣達がすでにそろって座に
ついていました。


スメラ様が中心に座し、左右に
3人づつ6人が並んでいました。


その筆頭は建王子で、そして
武王子に讃王、珍さんに
甘さんと何予さんと全員
顔見知りでした。


緊張感もなく、しかし粛然
(しゅくぜん)とした中で、
まず建王子が発言をしました。



「スメラ様の御前で百済(く
だら)からの使者、張晃様を
お迎えしています。


張晃様は私達が魏の国に
行った際大変お世話になり

張晃様のお力があったから
こそ、ヤマト連合国は、
金の印綬を授かることができ
ました。

心から御礼を申し上げます。
スメラ様からお言葉を賜り
ます。」





「張晃様とは初めてお目に
かかります。

遠路大海を渡っての御来光と、ヤマト国の受けた張晃様から
のご貢献を慎んで感謝申し
上げます。



歓迎の宴を開かせて頂きます
ので是非ご来臨下さいませ。


ご滞在中はどうぞ心おきなく
お過ごし下さるよう、又如何
なることでもキクシにお申し
付け下さい。

キクシよろしくね。」


キクシ
「はい、万端心得まして御座
います。」

と答えて張さんの方に視線を
送ると同時に互いに頷
(うなず)き合いました。


言って見ればかっての戦友に
再会できて、キクシはワク
ワクしていました。


ひょっとしたら又何かが
始まるかも知れないとの
予感も働きました。


「では張晃様の御来訪のおもむきをお伺い致しましょう。」と

建王子がソツなく張さんに
発言の機会を回しました。




張さんは少し緊張した
面持ちで「スメラ様お目通り
をお許し頂き身に余る光栄で
御座います。

私は縁あってご列席の皆様方
と素晴らしい時間を過ごさせ
ていただき大変幸せに思って
います。


この度は私事ではなく
朝鮮半島の平和を願って

スメラ様にお願いに参上
致しました。



お聞き及びかもしれませんが
新羅(しらぎ)
伽耶(かや)
百済(くだら)の三国の抗争
が絶えず民達は疲弊をして
います。

三国の仲を取り持って何回も
交渉に当たりましたが和平は
成立しませんでした。


そこでヤマトの国は
48もあった大小の国々を
統一して戦(いくさ)のない
平和な日々を確立したのを
見て、

これはスメラ様におすがり
して三国の争いに終止符を
打ちたいとの思いで面会を
願い出た次第です。


どうか朝鮮半島の人々を
お救い下さい。お願い申し
上げます。」


真心こめての訴えに一堂の

人達はしばらく無言でした。




夕陽の木漏れ日


紅葉の盛りへ


真心のささやきを貴方へ❤️





和氣先生との対話もご覧になって下さい↓